第8回
カブやダイコンの葉の薬湯は婦人病の良薬
前回取り上げた春の七種のうち、
カブとダイコンは畑作物ですから、
だれでもよく知っているでしょう。
カブはヨーロッパ北部、ダイコンは地中海沿岸地方と、
原産地こそ異にするものの、ともにアブラナ科の1〜2年草で、
栄養組成も酷似したきわめて近しいなかまどうしです。
両者とも「根菜」と呼ばれ、主として根の部分を食用しますが、
カブやダイコンの葉には、
ビタミンA・B1・B2・C・Eをはじめ、
カルシウムなどのミネラル、
そして葉緑素などが豊富に含まれていて、
血行促進や保温、殺菌などにすぐれた作用がありますから、
葉っぱのほうも積極的に活用することをすすめます。
ならば仙人は、このカブやダイコンの葉っぱをどんなふうに利用しているかといいますと、
これをお風呂に入れて薬湯にするんです。
つまり「カブ葉湯」「ダイコン葉湯」というわけですナ。
やり方はカンタン。
まずカブやダイコンの葉を風通しのよい日陰に
2日ほど吊るして半乾きにし、これを適当な大きさに刻みます。
そして、この刻んだやつを布袋に詰め
(1回分使用量はダイコン1本分が目安)
その袋を湯船に入れるか、または同量を鍋で15分ほど煮出し、
その煮汁を加えて入浴します。
この「カブ葉湯」「ダイコン葉湯」は、
朝鮮民族の間でも古くから行われてきた伝統の薬湯で、
冷え症、生理不順などの婦人病や
神経痛、リウマチ、腰痛などにヨロシイ。
ただし、食用にしろ浴用にしろ、
葉っぱを利用するにあたっては、
農薬などに汚染されていないものを選ばなければいけません。
そこで仙人は、無農薬のダイコンが欲しいときは
「畑」でなく「海辺」に足を運ぶのです。
どういうことかと言えば、実は全国の海辺の砂浜には
ハマダイコンという野生のダイコンが自生しており、
これをコッソリ利用させていただいておるのでアリマス。
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