第5回
ナオちゃんの得意技
仙人には、「ナオちゃん」と「シュウタロウ」
という二人の弟子がおり、
小学校3年生のナオちゃんには3年前から、
今春幼稚園に入るシュウタロウには昨年から、
それぞれ仙人術を教え始めています。
1年目のシュウタロウのほうはマダマダですが、
3年目のナオちゃんにはもう
いくつかの得意ワザができてきました。
そのひとつが「真冬にキノコを探す術」。
「えっ、真冬でもキノコがあるの……?!」
なんて目をむかないでください。
そもそも「キノコ取りは秋」だなんて、
ダレがイツ決めたんですか?
そういう半端な思い込みや通念にとらわれず、
自然の摂理と素直に向き合うのが
仙人道のキホンのキなのです。
さて、ナオちゃんが真冬に見つけるキノコの名はエノキタケといいます。
そう、だれでも知っているあのエノキダケですよ。
但し、ナオちゃんが採ってくる天然のエノキタケは、
みんなが知っている真っ白けでモヤシのような姿ではなく、
大きなものは傘の径が数cmもあり、色も褐黄色をしています。
実は、自然下でのエノキタケは冬場に発生し、
雪の中でも見つかることがあるところから
「ユキノシタ」とも呼ばれます。
また、このキノコは、
光に当たると褐黄色を呈するのが本来の性で、
味も香りも栽培モノと比較して何倍もスグレています。
つまり、みんなが知っている真っ白けのエノキタケは、
栽培ビンの口元を紙で被い、
光を当てずにモヤシ栽培したものなのですね。
ともあれ、このエノキタケというキノコは、
ただ鍋物などに合う重宝な食材というだけでなく、
B1、B2、ナイアシンなどのビタミン類に富むのに加え、
抗ガン活性の高い糖タンパクを含む
すぐれたヘルシー食品ですから、
天然・栽培を問わずセッセと食べることをすすめます。
こうした食薬兼備のスグレモノを
楽しみながら手に入れるのが仙人道の極意なのですナ。
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