元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第2112回
病院へ行くと元気がなくなる?

「患者の寂しさが分かる医師」とは?
このこれからのガン治療に、
患者と家族から期待されている医師像について、
僕の敬愛するホリスティック医療の草分けである帯津良一医師は、
多くの著書に書き、また全国の講演で話をし、
実際に、自らの病院で4半世紀にわたって実践してきた
素晴らしい先生です。
その内容については拙著「ガン延命学新書」や、
僕の構成した「帯津良一VS王振国対談」といった本でも詳しく
語ってくれていますので、少し、紹介しておきましょう。
「患者の寂しさが分かる医師」とは、
検査機器や化学薬ばかり血眼になる医師ではなく、
患者と医療従事者の信頼の統合=信頼のコミュニケーションに
腐心することを第一と考える医師だというのです。

           *

●大事なことは患者と医師の“信頼の統合”なのです――
さて、私の病院で取り上げている統合的な療法と、
目指すべきホリスティック医学が生命場のエネルギーを高めるが、
いかにガンと共生する近道か? 
ということについてまとめておきましょう。

自然治癒力というのは、体の中だけで働くのではなく、
体の外、つまりこの場所にも自然治癒力はあります。
それはどういう事かといいますと、
良い場にいる人の方が元気のエネルギーが高まるからです。
エネルギーの高い場の基本は何かというと
人とのコミュニケーション、人間の信頼関係です。
良いコミュニケーションのある
家族、友人、医者、看護婦、薬剤師。
こういう良いコミュニケーションに恵まれた人の自然治癒力が
高まるということをしばしば経験します。

ですから、これからの医療で何よりも大事なことは、
患者さんと医療従事者の
信頼の統合=信頼のコミュニケーションです。
こうした現象を考えると、やっぱり一番大事なのは主治医です。
主治医の先生とうまくいっている人が良いんです。
主治医の先生とうまくいっている人はよいのですが、
うまくいっていない人は
病院に行く日は朝から元気がなくなるのです。
そうした場合は改善しなければいけません。
場合によっては主治医の先生を変えても良いと思います。

すでに本にも書いているので読まれた方もあると思いますが、
いま45才くらいの患者さんがおられます。
公団に勤めている働き者の方ですが、
今から7年前に胃ガンになってひどく落ち込んでおりました。
まだ、30代でしたから当然だと思います。
この人はもって生まれた性質というか
自然治癒力を高めるものを持っていると思うのです。
手術を受ける決心をして癌研の外科に入ったら、
検査しているうちに手術できないといわれて、
白血球が減って抗ガン剤も続けられなくなり、
しばらく、落ち込みながらベットで静かにしていたらしいのです。

やがて「帯津先生のところで
気功でも何でもした方が良さそうなので
お願いできないか」と奥さんが来ました。
「あちらの主治医の先生が許可してくれないだろう」と
「いや、許可してくれました」というのです。
この主治医の内科の先生がどうもとてもよい医師らしいのです。
うちの病院でいろいろと代替療法を試しているうちに
白血球が元に戻ってきたので、
癌研に戻って、治療を継続したのです。
しばらくして、また来たのです。
何故かといいますと、癌研の外科の医師がやってきて、
これなら腫瘍が取れるから手術をやろうというのだけれど、
どうすればいいのかという相談なのです。

          *

続きは、また明日。


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2008年6月8日(日)

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