第2111回
患者の「味方」を装う医師
あなたは患者の「寂しさ」を分かってくれる
医師を持っているでしょうか?
もし持っているとしたら、
ほんとうに幸運な人といえるでしょう。
ますます医師がマニュアル・ロボット化し、
病院がマニュアル・ファクトリー化する・・・
無表情な社会の到来です。
少子高齢化などと他人事のように嘆く記事が氾濫していますが、
いまや、僕自身、そしてあなたの家族自身を襲う
“長寿病弱国”の真っ只中にいるのが実情です。
多くの患者が「患者漂流」と「ガン難民」と
呼ばれる苦悶と不安のなかで、
なんとか「いのちを掴もう」「人生設計を再建しよう」と
頑張っているわけですが、
患者にとって信頼のおける「味方」ともいえる、
心ある医師の温かい支援を得て、
より前向きな人生を、悔いなき治療を受けることは、
ガン延命学でが、ますます大切になってきていると思います。
しかし、ガンはあきらめたら負けです。
家族と一緒になって探せば、
まだまだ患者の「寂しさ」が分かる医師はおられます。
僕は、このコラムで色々と、落ち込んだときに気を取り直す
ガンに負けないキーワードを書いてきました。
もし、あなたの症状が悪化して、
どの病院を巡っても道が開けないときは、
次の言葉を忘れないで、一歩一歩ガンと共生する
しなやかな人生設計を掴みましょう。
その“長寿病弱国”の荒波に飲み込まれないための
法則キーワードは以下です。
●「希望こそ良薬 あきらめは毒薬」
●「あきらめない、あせらない、あわてない」そして
「だまされない」・・・の3A+1Dの法則です。
とくに、医師選び、病院選びでは、
3A+1Dの法則を忘れないようにしましょう。
これからのガン患者学に大事なことは、
「インフォームドコンセント」(説明と合意の納得医療)と
「セカンドオピニオン」
(第2の医師の意見も聞く納得医療)であり、
これが患者主体のガン治療です・・・などと
と著書や講演ではいかにも「患者の味方」を装いながら、
実際は “機械的なガイドライン治療”に
患者を従わせる身勝手な医師――、
医師のいうことをよく聞く患者が
良い患者だと信じている医師――、
ろくに問診、視・触診もせずに、検査数値だけに頼りながら、
無謀な手術や過剰な抗ガン剤を
じゃぶじゃぶと投与することに疑いを持たない医師――は
要注意です。
こうした機械ロボットの仮面を
もったような医師に騙されてはなりません。
ガンのようないわゆる老化難病、
複雑ないのち自体は、機械修理のような
“いまのガイドライン治療”
“ロボット化治療”では限界を迎えていると、
長いことガンと付き合ってきた患者さんや家族のみなさんなら
もうとっくに気づいているはずです。
しかし、ここがガン患者の悲しさで、
ついつい、症状が悪化すると、
いろいろな医師や病院を駆け巡った末に、
さらに強い抗ガン剤の投与を許諾し、
最後には「余命半年です」などと引導を渡されて、
在宅モルヒネに苦しんでしまうことになります。
では、どんな医師が信頼に足る
「患者の寂しさの分かる医師」か、といいますと、
患者の体だけでなく、心も魂も“問診”してくれる、
ホリスティックな医師こそ、
この老化難病である、ガンから救ってくれる
ずばり『患者の寂しさを分かってくれる』医師なのです。
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