元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第2113回
病院選び=「気持ちのよい場」を探そう

「患者の寂しさが分かる医師」とは、
検査機器や化学薬ばかり血眼になる医師ではなく、
患者と医療従事者の信頼の統合=信頼のコミュニケーションに
腐心することを第一と考える医師だ――、
僕の敬愛する「患者の寂しさの分かる医師」=
帯津良一先生が、拙著「ガン延命学新書」や、
僕の構成した「帯津良一VS王振国対談
といった本で語っている、
患者の信頼にこたえる医師像についての話の続きです。

          *

私も外科が専門ですから
「その外科医が自信を持ってやるというのですから、
やったらどうですか」といったのです。
それだけで決めたのではないと思いますが、
手術をしたのですね。

また、その患者さんが外科医の手紙を持って来ました。
内容を見てびっくりしました。
すごい徹底的な手術をしているのです。
さすが癌研と思いました。
それだけでなく、この手紙の行間からは、
治療にあたった医師たちの温かい心遣いが
伝わってくることに驚きました。
ですから「あなたものすごく良い先生に
巡り会いましたね」と言ったのです。
良い内科の先生に巡り会い、
外科の良い先生に手術をしてもらった結果となりました。

しかし、ガンはほんとうに手ごわい病気です。
徹底的に胃と周辺をとられてしまったのですから、
すごい下痢に襲われたのです。すごい下痢です。
食べたらすぐでてしまう。
「仕事どころではない。なんとかならないか?」というので、
うちの病院で漢方薬をはじめたわけです。
もう7年になります。

その間に、この患者さんは自分の努力で、
また良い場を作って、エネルギーを高めたのです。
亀有にある浄土真宗のお寺が菩提寺ですが、
そこの住職さんが非常に良くできた人でした。
いろんなボランティア活動をしておられるようで、
それに参加したのです。

そこの住職さんは、
東京にある親鸞仏教センターという
若手のお坊さんたちの会に入っているのです。
この人たちがまた良い人たちです。
忙しい仕事をして、下痢に悩まされ、
それにボランティア活動でしたが、
この人たちとの付き合いも始まって、
生きがいばかりか、前途に希望が湧いてきて、
体の調子も回復してきたのです。

手術をして8年になりますが何も問題はありません。
これから先の事はどうなるかはわかりませんが、
でも胃ガンになって8年たったのだから
もう大丈夫だと思っています。

      *

あなたは、この帯津医師の話をどう受け止めますか?
病院選び、医師選びとは、
「気持ちのよい場」を探す、
信頼の環境場を探し、そこに心身を置くということなのですね。
メスや化学劇薬に心身をさらす
「腹きり」のような覚悟、
目を血眼にするような患者の心得ではないのです。


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2008年6月9日(月)

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