第1905回
スローヘルスな本を読もう(1)
ガンと長く上手に折り合って、
ゆったりと延命するためには、
ただ病院に行って手術されたり、
化学劇薬を投入されれば済むというものではありません。
このコラムでも何度も書いていますが、
体の治療のみならず、心や魂のパワーを高めて、
「身、魂、心の人間丸ごと」で
ホリスティックに人生計画を立てていくことが必要です。
というわけで、僕たちの編集している
「いのちの手帖」では、最新のガン治療情報や
闘病体験記のみならず、
心と魂のパワーを高めて、
いかに生きる気力を旺盛にするか?
こうしたことも考えて、
書評のページにも力を入れています。
自分で将来を考え、人生観をまとめるためにも、
ただ呆然と病院通いしているのではなく、
知的に教養を磨くことが大切だからです。
いま発売の「いのちの手帖」第4号でも、
なるべく、患者や家族のみなさんに読んで役立てて欲しい本を
幅広い分野から紹介していますので、
気になる本、興味の湧いた本からぜひ読んでみてください。
「いのちの手帖」第4号の書評ページ
「本の愉しみ ブックス フォア スローヘルス」
に掲載された特選8冊は以下です。
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●人間丸ごとの生命場ドラマ
「まるごと(健康)」(帯津良一・著 春秋社)――
帯津良一医師の『人間丸ごと医学=ホリスティック医学』
の理論書というよりは、
その理論形成、人生設計に多大の影響をもたらした
人生の師友たちとの交遊録の集大成。
太極拳の総師・楊名時さん、伊那谷の老子こと加島祥造さん、
ホメオパシー医学の巨人・ヴィソルカス教授など、
帯津医師の70年の「人生の旅情」をかきたて、
大いなる生命場を共有、共感(エンパシー)してきた
魅力的な人物が次々と登場。
「人間丸ごとの生命場ドラマ」
が書き綴られているところがこの本の魅力。
●ファンタジックな「いのちの寓話」
「蝶の小径」(三木卓・著 幻戯書房)――
身近にある蝶の世界のエッセイを集めた名品。
少年時代を過ごした中国大連のトンボのギンヤンマには始まって、
東京荻窪界隈のアゲハチョウ、
はたまた沖縄・南西諸島のオオゴマダラやツマベニチョウまで、
普段は忘れてしまっている、
小さな生き物たちの優雅に見えてじつは
喜怒哀楽に満ちた「いのちの世界」が読者の前に開けてくる。
著者独特のやさしいユーモアのある観察眼が
やがて人間社会への風刺と転化して、
読者は知らず知らずのうちに頁に引き込まれてしまう――、
ファンタジックで風刺の効いた魅力的な一冊。
●見直したい「湯たんぽ、腹巻、携帯カイロ」の活用法
「心もからだも「冷え」が万病のもと」
(川嶋朗・著 集英社新書)――
東京女子医大・青山自然医療研究所クリニック院長・
川嶋朗さんのガンも鬱病も勃起不全も
「冷え」が原因だとする理論&実用書。
気軽にできる「簡単、冷え退治のヒケツ」として
「湯たんぽ」「携帯カイロ」「腹巻」はもちろん、
「しょうが湯」「指モミ」から
「血流改善の靴下、ブラジャー」まで、
伝統療法や自然療法の養生法が
網羅されているので役に立つ。
また、最後に、自然治癒力を上げる
ホメオパシー(同種療法)の考え方や、
「ホメオスタシス(安定的生命維持)」といった
古くて新しい医学発想の見直しを提案していることが
本書のポイント。
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