元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1850回
「いのちの手帖」の闘病記(2)

いま発売中の「いのちの手帖」第4号の
ガン闘病記エッセイ特集=
「一歩また一歩 ガンと共に歩む」の話を、さらに続けます。

・運命を変えた白血病(4)
骨髄移植後1年が無事に過ぎました  花井陽光
・わが娘の未分化癌との闘いと
終末医療に思う  松尾達也
・「原発性不明癌」と診断されて・・・
私に勇気と希望をもたらした穀物菜食  若山朝子
・多摩のよこ山に魅せられて楽歩、遊歩にいそしむ日々  黒川宣之

4人の方々に実名でエッセイを書いていただいたわけですが、
創刊号から、同時進行ドラマの形式で、
寄稿を続けていただいている
花井陽光さんの「運命を変えた白血病(4)
骨髄移植後1年が無事に過ぎました」
というエッセイの内容紹介の続きです。

            *

(注・骨髄移植手術後)髪の毛も後頭部が
天然パーマに変わりましたが、
医師に言っても信用されません。
そこまでの影響はないというのが医学です。
放射線を浴びたので精子の受精能力がなくなりますと
言われたときは人生をリタイヤしたような淋しさを感じました。
性格や嗜好は変わらないようです。

退院当初は全身の筋肉が弱り歩くことさえままなりません。
腹圧が弱くなっているため長時間の話も出来ません。
食欲も判断力も低下したままでしたが、
新天地岡崎市に転居しました。

そんなときに旧友の永田朝路君から
「あなたにもできるがんの基礎療法」
(橋本行生著 農文協刊)を紹介されました。
この本で最も注目したのは免疫力の測定方法でした。
PNI(栄養学的予後指数)と呼ばれるこの計算によって、
患者の自然治癒力としての体力・免疫力の指標がわかるのです。
その結果、抗がん剤や放射線治療の副作用が生じる・生じにくい、
免疫療法が効く・効きにくい等がわかるといわれています。
現在の免疫状態を判断する簡易な測定法です。
早速、これまでのデーターをこの計算式に当てはめてみました。
橋本先生はPNIが40以下の場合は化学療法も危険だといいます。
結果は「うーん。なるほど。」妙に納得します。

         *

まえにも紹介しましたが、
急性骨髄性白血病から3年、苦しい抗癌剤治療と、
難しい移植手術を乗り越えて、
いまでは、環境問題の本を執筆したり、
NPO法人「ついのすみか研究会」という組織を立ち上げ、
慎重に養生しながら新しい活動をはじめたという最新報告です。
花井さんは前・日本CI協会・専務理事ですから、
治療だけでなく養生の経過も詳しく書かれていますし、
人生の再設計の知恵も詰まっていますから
ぜひ、読んでみてください。

「いのちの手帖」には、毎号、必ず、
ガンの患者さんやご家族の方々から寄せられた
貴重な体験を知らせる「闘病記」特集が掲載されています。
本誌のガン闘病記の特徴は、
ご本人が名前を公にして体験や意見を述べていることです。
ガンの患者さんが実名を出して
原稿を書くことは、とても勇気のいることなのですが、
それだけに真実が書かれているわけで、
僕はいつも教えられ、
頭のさがる思いで食い入るように読みながら、
編集させていただいているわけです。

 


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2007年9月20日(木)

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