元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1835回
医師と患者の行き違い

幸運にも、こちらも9年、生かしていただいた身ですので、
出来る限り、手術や化学薬に頼ることはやめて、
いわば、これまでどおり、ガンと「同行二人」で
余禄の人生を過ごしていきたい。
男の平均寿命まで生きられると
仮定してもあと十年ですから焦ることもない。
どの道を選んでも同じなら
ダメージの少ないほうを選んでいきたい.

ガン再発だ、転移だ、やれ潰瘍や腫瘍の原発だ・・・
と言われても、すぐ、医師の言いなりになって、
手術や化学劇薬に身を預けるのは本当に正しいのだろうか――、
として、僕は、体調が崩れてきたら、
「穴攻め療法」という養生の組み合わせで
危機を凌いで延命してきたという話の続きです。

初めてガンと宣告されるにしろ、
再発と宣告されるにしろ、
患者とは弱いものですから、何かにすがりたくなります。
もちろん、医療の専門家である医師の指示に従うのが常道です。

しかし、この情報社会では、
どうもいま医師や病院が採用している
手術、抗ガン剤、放射線といった「標準治療」では
臓器を叩きのめす効果はあるものの、
副作用や後遺症が多すぎ、
ガンそのものではなく
過酷な治療でいのちを縮めるのではないかと、
多くの患者や家族が気づき始めたようなのです。

僕は、ガンの手術は避けて、抗ガン剤と放射線に加えて、
漢方などの代替療法の併用で生き延びることが出来ましたが、
2〜3年は、抗ガン剤と放射線による
副作用ダメージから立ち直れませんでした。
以後、玄米菜食法などの自然療法で体質改善を続けてきたので、
体内に大量の化学薬を入れると、
拒否症状といいますか、ダメージからの回復に
かなり時間がかかるようになってきました。

とはいっても、
西洋医学にこうした弊害があるとわかっていても、
患者は弱いものですから医師にすがりたくなります。
しかし、最近の医師は最新機器の
データ数値でしか治療が出来ません。
個人の症状にあった処方はなかなか出来なくなっています。

昔の赤ひげ医師のように問診や触診で、
ずばり症状を見る人はいませんから、
ますます「患者が主治医」「久病良医」という考え方を
しっかりもって望まないと、苦痛と苦悶に耐えながら、
「惨い手術や化学劇薬でいのちを縮める」ことになりかねません。
僕たちは、医師のガン本や、マスメディアのガン記事で
「臓器さえ切り取れば、ガンは完治する」
と思い込まされていますが、現実はそうではないわけです。

とくにガンといった複雑老化病は、
いくらエビデンスの高い、
信頼性のある「標準治療」だといわれても、
僕の9年のガン患者経験から言っても、
延命の規準は「医師のガイドライン」だけに寄り添うのではなく、
まず自らの「人生観のガイドライン」に従うべきだと思います。

なぜなら、医師の職業上の都合で
決められた治療ガイドラインとは、
複雑な「人間のいのち全体のレベル」に対応したものではなく、
極論すれば「壊れた機械(臓器)修理レベル」に
対応したものに過ぎないからです。
ですから、「いのち」を見つめるガン患者と
「壊れた機械」を見つめる医師の間の「体感距離」が広がって、
治療の行き違いが頻発するのでしょう。
ますます「ガン難民」「患者漂流」が増えていくわけです。


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2007年9月5日(水)

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