第1811回
目からウロコの「心の薬」
僕にとって、80歳のフランス人ジャーナリストの
アンドレ・キャラビさんは、数少ない
「心の良薬」処方の名人だ―という話の続きです。
そのキャラビさんが、いま週刊ポストでムッシュ・キャラビの
「GRAIN DE POIVRE=コショウの一粒・今月のエスプリ」と題する
まさに「良薬は口に苦し」の痛快なコラムを、
月1回で連載していることは、まえにも書きましたが、
いったいどんな日本人への警句が送られているか?
良薬は口に苦し・・・という諺があります。
友人からの「忠告」を有り難く聞き入れることは、
体だけでなく、心のエネルギーを高める秘訣になるはずです。
また、受け入れ方次第では、
あなたの心身の向上、いや、
国の将来の建て直しにも結びつく契機ともなりますから、
「目からウロコ」の心の薬=
《GRAIN DE POIVRE(グレンードポワブル)の第二回目も
面白くてためになりますから、一挙紹介しておきましょう。
*
《GRAIN DE POIVRE(グレンードポワブル)第2回》
●Les“baby boomers”ont fait
grandir le pays!Quand
a leurs enfants…?
国を育て上げた団塊の世代! 果たして子供はどうなる…?
●Un coup de pied a son
adversaire abattu,technique,
force mais pas de coeur!
倒した相手を蹴る、技、体、あっても、心がない関取!
●Grace a la biotechnologie,
quand tant de personnes
meurent de faim,ces dames
les voitures se nourrissent de
maïs,de colza,ou de canne
a sucre!
バイオテクノロジーのおかげで多くの人間が飢えても、
“自動車さま”が
トウモロコシや菜種やサトウキビ等々頂いています!
●Du au manque de main
d’oeuvre,
environ deux cent
kioskes sont fermés,c‘est
peut-être une chance
pour les fonctionaires retraités!
人手不足の為、駅の売店の約200店舗が閉店になった。
天下りの人はいかがでしょう!
●Pas d‘argent、une prière,l’argent
rentre, on prête l‘oreille audiable!
金の無い時は神頼み、金が入ると、悪魔のささやき!
●Avec l’âge le seul fait de
regarder la météo nous fait
attraper un rhume!
年齢とると、天気予報を見ただけで風邪を引く!
*
うん、なるほど、でも外国人だからズバズバ言えるのさ・・・
などと皮肉る人もいるかもしれませんが、
キャラビさんってフランス語でしゃべっているのではなく、
実際に文章も日本語で書いているのです。
日本語で、「良薬は口に苦し」=
「心の処方箋」を書くことも難しい時代です。
週刊ポストの「今月のエスプリ」は、
いまのメディアでは数少ない本物のエッセイです。必読です。
もちろん、次号の「いのちの手帖」(9月発売)にも、
キャラビさんの痛快警句集は登場します。
タイトルは「目からウロコのスローヘルス!
ユーモア上手は生き方上手」といものです。楽しみに。
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