第1481回
「いのちの質」と病院選び、医師選び
1年前に急逝された、
キャンサーフリートピアの創設者・土屋繁裕医師は、
「患者の悲しみが分かる医師」でした。
これからの治療は「QOL医術」だけに終わらない
「QOL医療」だと、いのちの質を考えた治療を
HBM治療(人間本位治療=ヒューマン ベースト メディスン)
と提唱し、自薦してきた人です。
こうして、僕たちのローヘルス研究会は、
ホリスティックな医師に恵まれたために、
患者は、身も心も、いのち丸ごと考える
しなやかな「いのちの広場」を作ることが
出来るようになったのです。
土屋先生の遺志を受け継いで、
2006年3月には、スローヘルス患者学=創造的延命学
のネットワークを広げるメディアとして、
季刊「いのちの手帖」を発刊するところまでこぎつけたわけです。
「病気を診て病人を診ない」――
機械のように患者を扱う治療が蔓延するいま、
ちょっと浪花節でも、患者本位の治療を心がける
「スローヘルス」な医師や病院に、
多くの末期患者、再発患者が列を作っていることも確かなのです。
その土屋先生が、テレビの講演や著書で残した患者本位の
「病院選び、医師選びのチェックリスト」が手元にありますので
以下に紹介しますので、
これから治療や闘病の判断に迷った時は、ぜひ、思い出して、
自分の納得できる治療設計、
人生設計をされたら参考になると思います。
*
《病院選びのチェックリスト10か条》
(1)希望もしないのに、検査入院をすすめる」病院は避ける
(2)いきなり大病院やブランド病院にいかない。
かかりつけの医師か、信頼できる医師に、
病院ではなく医師を指定して紹介状を書いてもらう
(3)病院選びの地域を広げる。
東京・大阪などの大都市は選択肢も多い
(4)セカンド・オピニオンは3箇所以上から得る
(5)セカンド・オピニオンを申し出て、
嫌な顔をする医師や病院は敬遠する
(6)受付や事務の電話対応が悪い病院は敬遠する
(7)受診して病院スタッフ(医師、看護師など)
の対応の悪いところは敬遠する
(8)病院選びも情報戦。あらゆる手立てを使って評判を確かめる
(9)インターネットなどで個人情報を提供している病院を選ぶ
(10)家族と協力して、足と時間を惜しまずに多くの病院を実感する
《危ない医師のチェックリスト》
(1)挨拶ができない医師
(2)話をする時に目線を合わせない医師
(3)威張った医師
(4)怒りやすい医師
(5)治療を急ぐ医師
(6)知ったかぶりをする医師
(7)専門用語を平気で使う医師
(8)手術の自慢をする医師
(9)恩着せがましい医師
(10)平気で長期間、薬を飲ませる医師
(11)意味なく定期的に検査する医師
(12)治療を押し売りする医師
(13)資料を貸し渋る医師
(14)患者を実験動物のように考えている医師
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QOL(いのちの質)とは、身体の機能だけでなく、
患者の心の健康や人生設計も視野に入れています。
QOLを評価するのは医師を初めとした医療提供者側ではなく、
患者本人でなければなりません。
ここにあげた「病院選び、医師選び」のチェックリストは、
HBM治療(人間本位治療)を提唱した、
土屋繁裕医師が考案したものですが、
ガンのような難病から命を拾う、
創造的患者学の大切な実践ポイントですから、
ぜひメモしておきましょう。
イザという時に必ず役に立つはずです。
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