元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1475回
続「大いなるいのち――草原の輝き」

「いのちの手帖」第2号に掲載されている
帯津良一博士の巻頭メッセージ
「大いなるいのち――草原の輝き」の続きです。
毎年、心身の生命エネルギーを高めるために訪れる
モンゴル養生紀行の一文です。
読んだ人の心が洗われるような、すがすがしいエッセイです。

          *

李岩先生はいまはどうしているやら、
最後に便りがあったのは5、6年前のこと、
そのときは香港からであったが、
名にし負う奇人の先生のことだから、
そのままおとなしく香港に居るとは思えない。
当時は北京の中日友好医院の副院長。
ホロンバイル草原の中心都市ハイラルにある
ホロンバイル盟立病院の特別顧問でもあった。
李岩先生の拙劣にして愛敬のある日本語だけを頼りに
モスクワ行きの国際列車に乗り込み
雨の北京駅を後にしたものである。

なんと35時間の旅である。
食堂車には5回足を運ぶ。
トイレには何回行っただろう。
3日目の午前3時、
やっとこさという感じでハイラル駅に到着した。
驚いたことに真暗なホームに人が犇(ひしめ)いている。
何事か?と訝(いぶか)ったが、
すぐに私たちを迎えに来た人たちだということに気がついた。
しかも、どうやら目当ては私の方だ。
この地方では当時はまだ外国からの訪問者は珍客だったのだ(略)。

          *

さて、このときの帯津医師は、
とんでもない難問に遭遇するのですが、
なんとか、それを解決して、
モンゴルの医師たちや同行の仲間たちと一緒に大草原に出かけ、
大宇宙・大自然のエネルギーを浴びる気功三昧にふける――、
まさに“生命の躍動”を体験するわけです。
(注・この部分は省略します)

          *

翌々日は数台のジープに分乗して草原に出た。
街を出るとすぐ草原である。行けども行けども草原である。
真夏の太陽の下、音もなくゆらゆらと眠る草原に
一回で魅せられてしまったのである。
この魅力はどこから来るのか。
そうだ! 虚空の魅力なのだ。
草原はわれらがふるさと虚空なのだ。
ここにはいのちのエネルギーが満ちみちている。

それからである。私の草原詣でが始まったのは。
いつでもウインダライ先生と、
その弟子でいまでは盟政府の要職にある
孟松林(もうしょうりん)先生が私を温かく迎えてくれる。
草原の友情は永遠なのだ。
草原はさまざまな表情を見せる。
そぼ降る雨に煙る草原、真紅の夕焼けに燃える草原、
満天の星空の草原、どれもこれもすばらしい。

草原の日の出を見ようと彼らといっしょに
包(ぱお)に泊り込んだことがある。
午前三時頃から日の出を待った。
東の地平線に太陽が顔を出した。
光の圧力に吹き飛ばされそうだ。
そして世界が黄金色になる。
見渡すかぎりの草原が喜びに躍動しているではないか。
天行健(てんこうけん)なりという言葉が浮かんだ。
そして、人間の計らいのいかに小さきかを思い知らされたのである。

          *

「いのちの手帖」は、帯津博士のこの巻頭エッセイをはじめ、
じつに、心安らぐメッセージ、
また、スローヘルスな患者や家族のみなさんからの闘病体験が
綴られておりますから、
ゆったりと読んでいただきたいと思っています。
もし、あなたの周りに、ガンや難病に悩む人がいたら、
小誌のことを、ぜひ知らせていただければ幸いです。


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2006年9月10日(日)

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