第1302回
病院は「患者の家」であるべきだ
「これからの患者はもちろん、医者も病院も、
人間丸ごとの治療発想に切り替えるべきだ」
新雑誌「いのちの手帖」の巻末に大特集した
「もうひとつある ガンの治し方革命」という
ホリスティック医学の権威である帯津良一博士と、
中国の複合漢方薬・天仙液の開発者・王振国医師との
特別対談の話の続きです。
おふたりは、期せずして、四半世紀まえから、
西洋医学と東洋医学の長所を組み合わせる
中西医結合を取り入れ、
いまでは、より人間全体の診る治療の組み合わせ=
ホリスティック医療を目指している、
まさに新しい医療の先駆者でもあるわけですが、
お互いに、病院こそ「患者の家」であるべきだと信念に燃えて
治療を続けてきたわけですが、
その道のりは、まさに「孤軍奮闘」であった・・・といった、
人間味溢れる回顧談から始まりますから、
長い対談とはいっても小難しいものではありません。
すらすらと、これからの治療のあり方、
患者、そして医師、病院のあり方の問題点が頭に入るはずです。
一部を抜粋しておきましょう。
*
帯津 「ガンの患者さんをなんとか救いたい」と考えて、
もう四半世紀前のことになりますが、
私も王振国先生も、時を同じくして
ガン治療の新しい道に向かってスタートしました。
すでに手術だけでなく、
抗ガン剤や放射線の先端治療も
いろいろと開発されておりましたが、
どれもこれも「ガン細胞は叩くが正常細胞も叩く」という
手荒い治療でしたから、
よく、私たちの病院に駆け込んでくる
患者さんたちの痛みを見るにつけ、
その西洋医学による治療の限界には、
誰よりも肌身で感じとっていたわけです。
王 帯津先生は西洋医学の外科医として、
こちらは伝統的な中国医学からと
立場は異なりましたが、
目指したゴールと目標はおなじ方向性でした。
もっと、からだに優しい治療はできないのか?
人間全体のバランスからみる中国医学と、
細胞の細部からみる西洋医学の手法の
長所を組み合わせる「中西医結合」、
いわゆるガン統合医療の病院を建設しようという夢でした。
帯津 そう。「ガンはあきらめてはいけない」と、
1982年に中西医結合を旗印に病院を開いてみたものの、
しばらくはひとり相撲でした。
はじめは、病院内に気功道場など備えても、
誰も見向きもしませんでしたね。
お互いに孤軍奮闘といいますか「格闘」してきました。
王 まさに「格闘」でした。
帯津 大学病院などでは、
ガンが転移でもして、
治療法が手詰まりになると、
すぐに「余命半年」だといって
患者と家族を奈落の底に突き落とすようなことを
平気でいいますが、
人間のいのちを「心身一如」と考える
中国医学の立場からすれば、じつにおかしいわけです。
*
この対談の抜粋紹介は、また明日に続きます。
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