第1231回
気功で不安感を取り除く
ひとくちに病気といっても、
薬ではなかなか治らない、
いわゆる、日々の慢性疾患――、
たとえば、不安感、不眠、頭痛、めまい・・・に
私たちは、しばしば見舞われます。
こうした慢性疾患も、
ただ体の不調を応急処置するだけと考えるのではなく、
精神的な状態や、
人間の持つ、スピリット(霊性)とのかかわりの中で、
調整していく、
つまり、ホリスティックな考え方で
対処することが大切だ――、と、
これまで紹介してきた、
気功師の鵜沼宏樹さんは強調します。
つまり、不安感、不眠、頭痛、めまい・・・
といった、目の前の慢性症状も、
やはり、気功を一回数分間、これを一日のうち、
暇なときを利用して数回繰り返すことによって、
かなり改善されるというのです。
再び、帯津良一・編著の近刊
「がんを治す 在宅療法大事典」に収録されている、
「症状別気功法」の項目から、
慢性症状を改善させる気功法について
抜粋しておきましょう。
*
●気力がない あるいは 不安感が大きいとき
このときは、按球椿(あんきゅうとう)を行ないます。
このやり方ですが、
姿勢は立位と坐位があります。
立位は足を肩幅に平行にし、
坐位は普通に椅子に腰かけます。
脇は少しあけて、
両手はそれぞれ体の両側のヘソの高さに置き、
手の指を開いて浮力のある風船を
押さえるようにします。
体を少し後ろによりかかるようにして
重心を後方に移し、
目線は少し斜め上方四五度程度に向けます。
目は半眼にしてできるだけ遠くを見ます。
このポーズを5分程度続けていますと、
形から心のほうに作用し、
ふつふつと気力が沸いて不安感が除かれます。
*
こうした簡単な呼吸法で不安感が和らぐのか?と
不審を抱く前に、
試してみましょう。
鵜沼宏樹・気功師もこう書いています。
「ここで紹介する功法も、
とても簡単ですが、
その効果は逆に複雑なものより期待できる面があります。
ところが人間の心理として、
あまり簡単すぎるとなんとなくやる気が起こらず、
少し複雑なもののほうが真剣にできたりします。
これはどうも古来から人間の特性のようです。
このことを老子は『道徳経』のなかで、
つぎのように戒めています。
『大道ははなはだ平坦であるのに、
なぜか人びとは小道をいきたがるものだ』
このことを考えにいれて、
しばらくのあいだ試してみましょう」
|