第1133回
苦しむことがガン治療ではない
中国の珠海市にある、
「スローヘルス」なガン専門病院=
振国腫瘍康復医院の視察記の続きです。
「これからの病院はどうあるべきか」
「これからの病院は
“いのちの広場”と考えるべきだ」という
帯津良一博士と王振国医師の
おふたりの対談として、
いま原稿をまとめている最中ですので、
そのさわりだけを紹介します。
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王 :ですから、局所治療から全身治療へ、
患者を実験動物のように扱う
単一治療からトータルライフを考えた治療、
つまり統合医療へと変らなければいけません。
そして、心理治療と薬物治療を
合わせなくてはいけない。
患者一人一人についての
「人間性と個別化」を考えた
中西医結合治療の実施こそ、
転移と再発を防止し、
多くの患者さんに希望をあたえることができると
思っています。
帯津:ともすれば、ガン病棟に入院して、
苦しみと痛みに耐えることが
ガン治療と誤解している患者が多いと思います。
今回、王さんの病院を見学して
よく分かりました。
玄関ロビーの内側には
「患者之家」と大書されているのが印象的です。
まさに、私も目指している、
患者、家族、医療関係者が信頼して作る
「いのちの場」としての病院が
実現されつつあるのには驚きました。
王 :私も日本の帯津先生の病院を見学し、
また著書も何冊も読んで
勉強させてもらいましたが、
国の事情が違っても、
考えていることは非常に近い。
これからあるべき「ガン治療革命」
「ガン病院革命」の方向は同じです。
まさに、患者の日常生活を丸ごと考えた
「いのちの広場」に病院は変えるべきです。
帯津:私はですね、この20数年、
最初、中西医結合から始まり、
漢方薬、鍼灸、気功、食養生といった
中国医学の療法にとどまらず、
各種のサプリメント、
サイモントン療法やホメオパシー療法などの
代替療法を組み合わせる
統合医療を志し、
治療の可能性をものとめてきました。
その途中で、
ホリスティック医学協会が
日本で18年前にできて、
いまは、その会長をしているのですけれども、
そのホリスティック医学は、
まさに王先生が言われる
「人間性と個別化」を大事にした医療です。
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珠海の病院内を視察する帯津医師(右は王医師)
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