元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1110回
和漢薬の故郷・富山を行く

前回、富山で開かれた
「スローヘルス研究会」に
招かれたときの話を書きましたが
次の日、主催者の原田清美さんのご家族が、
宇奈月温泉からトロッコ列車に乗る、
黒部峡谷見物に案内してくれました。

ご主人の原田廉平さんがいないのは、
寂しいことですが、
半年前まで、看病をともにした、
原田さんのお子さんたちと、
献身的に治療を尽くした
土屋医師の小さなお嬢さんたちが、
楽しく語らっている姿を、
彼方から、廉平さんが
ニコヤカに見守ってくれているような気がして、
それは心温まる一日でした。

土屋医師のご家族は仕事の都合で、
お帰りになったのですが、
僕たち夫婦は、
その翌日は、雨晴海岸という
風光明媚な温泉に泊まり、
また、市内にある、
昔ながらの伝統を守る
「富山の薬売り」のお店を案内してもらいました。
土屋先生の持論「合わせワザ」ではありませんが
僕自身、ガン治療では
西洋医学のほかに、
漢方薬のお世話になっていますので、
せっかく富山に来たのですから、
ぜひ、この伝統薬の様子を
この目で確かめたかったわけです。

ちなみに、富山売薬を興したのは
富山藩2代藩主・前田正甫(まえだまさとし) 公で、
積雪で冬季の稼ぎが制約されるため、
薬の行商が盛んになったそうです。

漢方薬と日本独自の薬草から編み出した
その和漢薬の伝統を守る、
店舗が昔のたたずまいのまま、
何軒か残っているわけですが、
まず、富山駅から車で10分ほどのところにある
薬種商の館「金岡邸」に案内してもらいました。

この屋敷には、麝香や人参といった、
いわゆる漢方薬の原料から、
薬研(やげん)という粉薬を作る道具、
行商人が担いで歩いた柳行李(やなぎごうり)まで、
300年の歴史の資料が、
いろいろと展示されていますので、
もし、富山に立ち寄る機会があるときは、
ぜひ、立ち寄ってみることをお勧めします。
いかに、日本人が、
漢方薬のお世話になっているかが実感できます。


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2005年9月10日(土)

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