第1106回
盛況!富山のスローヘルス研究会
「いまや『ガン告知即=死』ではありません。
粘り強くガン治療の情報を集めて、
納得のいく治療を受けることが
『命』を拾うことになり、
患者の立場に立った人間本位の医療を
求めることが重要になってきているのです」
これが半年前に肺ガンで亡くなられた
原田廉平さんが、僕たちに遺した言葉です。
その強い意志を受け継いで、
奥さんの清美さんが、
8月20日(土)に「患者に希望をもたらす会」――、
「第3回、スローヘルス研究会」を、
故郷・富山で開きました。
余命3ヶ月と宣告されても、
ガンの統合医療の組み合わせで
まさに夫唱婦随の努力を積み重ねておられましたが、
そのさなかでも、おふたりが、
地元の患者会=「スローヘルス研究会」の富山支部を
立ち上げていたことは、
このコラムでも何度か伝えました。
さて、「スローヘルス研究会IN富山 第3回」は、
高岡駅前のウイング・ウイング高岡の研修室で開かれ、
蒸し暑いさなかでしたが
前立腺ガンや肺ガンなどの
患者さんや家族のみなさんなどが、
50人ほど駆けつけてくださいました。
当日は、まず、前座として、僕が
「いかにして7年生存を勝ち取ったか」
といったテーマで、
この7年の延命体験をもとに
話をさせてもらいました。
西洋医学の治療法だけでなく、
代替療法を組み合わせて、
自分に合った治療設計を考えることが
いかに大切か?
退院後も、食事療法など、免疫力を高め、
ガンに負けない体質を作る
生活習慣の改善がいかに大切か?
そうした「スローヘルスのすすめ」=
「しなやかな健康法のすすめ」をお話しました。
患者と家族と医師、
そして有機農園の人たちとも手を繋ぐ、
「いのちの輪」の構想についての話です。
「患者が的確に医療情報をつかみ、
よりよい治療環境の場」を作るための
「3つの目標」についての話です。
(1)しなやかな「ネットワーク」を作る
(2)しなやかな「ライフライン」を作る
(3)しなやかな「バトンタッチ」を作る
これが、長寿難病社会を
悔いなく、心豊かに過ごすための
「スローヘルス研究会」の心構えなのですが、
(1)は、まさに、
患者と家族が主体の治療を組み立てるために、
あきらめずに、心ある医師を探し出す努力を
惜しんではいけないという考え方です。
(2)は、「食べ物こそからだを作る源」ですから、
有機農園や自然食品店とも
仲良く情報交換をしようという考え方です。
(3)は、医師に頼るだけでなく、
患者さん同士が情報を交換する、
そして「成功した患者に学ぶ」ことが、
ガン治療の近道だという話です。
原田廉平さん、清美さんのご夫妻は、まさに、
この「命のバトンタッチの輪」を広めるために、
スローヘルスの会を開いてきたわけですが、
富山の地でも、
こうした「しなやかな健康法」の考え方について
賛同する人たちが、
次第に増えているようで、
集まった人たちの熱心な眼差しに、
かえって、こちらが
勇気付けられたことになりました。
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