第1067回
続・免疫と漢方
5年間にわたって、
漢方複合薬の天仙液の成分と作用を
マウスとヒトの実験で分析し、
かなりの免疫作用と
アポトーシス作用(ガン細胞の自殺死)
があることを実証した――、
台湾大学の免疫学博士・孫安迪博士の
「免疫と漢方」についての
講演記事の紹介の続きです。
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DNAを修復する力は
年齢と共に弱まります。
修復が出来ないと、突然変異が起こり、
例えばガンになってしまいます。
酸素のフリーラジカルは、
SOD(超酸化物不均化酵素)により、
H2O2(過酸化水素)になるわけです。
有害な水(H2O)になるわけです。
このようにガンに罹った場合、
酵素が大変重要です。
また、抗酸化剤も重要で、
ビタミンA、C、Eも関連します。
漢方薬には免疫向上作用があります。
例えば、黄蓍(おうぎ)・
芍薬・五味子・枸杞子・
冬虫夏草(とうちゅうかそう)などは、
インターフェロンの産生促進作用があります。
人参・霊芝・何首烏(かしゅう)・枸杞子・
当帰・丹参・五味子などは
免疫力を高めると同時に
フリーラジカルを減らす作用もあります。
※SOD
SOD(スーパー・オキサイド・ディスムターゼ)の略。
体内に過剰に増加して活性酸素を中和する酵素。
※冬虫夏草(とうちゅうかそう)
冬虫夏草の名称は「冬は虫で動きまわり、
夏には草に変わる」との発想から与えられ、
コウモリ蛾の幼虫に生じ、
中国の奥地の海抜3000-4000mの草原に分布発生するキノコ。
実際は、キノコの子嚢(しのう)菌類などが
生きている昆虫に侵入し、
菌糸体を張り巡らせて体内の養分を吸収して
体外に子実体を表すもの。
滋養強壮だけでなく、抗腫瘍作用、血液循環の改善、
血行障害の予防、免疫機能の強化など、
多くの薬効が認められる。
※何首烏(かしゅう)
ツルドクダミの塊根を蒸して乾燥したもの。
強精・強壮薬。
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