第1066回
免疫と漢方
5年間にわたって、
漢方複合薬の天仙液の成分と作用を
マウスとヒトの実験で分析し、
かなりの免疫作用と
アポトーシス作用(ガン細胞の自殺死)
があることを実証した――、
台湾大学の免疫学博士・孫安迪博士の
「免疫と漢方」についての講演記事の紹介の続きです。
この記事は「漢方健康ネットワーク」という
雑誌の増刊号に掲載されたものです。
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国際的に研究を行う中で、
免疫低下をもたらす病因に着目しました。
免役強化には様々な方法がありますが、
過去10年間の研究において、
漢方薬を利用し、
免疫増強を図る方法にたどり着きました。
免疫機能は3つに大別されます。
一点目は、外来の「異物」といわれる
病因を識別する機能。
二点目は、免疫監視能力により
細胞の異変を防止する機能。
三点目は、病原、抗原を排除する機能です。
とくに免疫監視機能が低下することは、
様々な疾病やその他の合併症につながります。
また、ガンに関しても大変重要です。
ストレスや不眠などは、
免疫力の低下につながってしまう。
睡眠やリラックスにより
身体を休めることが重要です。
免疫の低下には、
フリーラジカルや活性酸素が関連しています。
例えば、タバコや農薬などの汚染により、
フリーラジカルが発生します。
適量のフリーラジカルは、
白血球と共に悪いものを攻撃しますが、
過剰な場合は人体に有害となり、
DNAを破壊する力もあります。
伝統医学で使われる「扶正邪」の
「扶正」は免疫力の増強です。
「邪」はフリーラジカルや
活性酸素を取り除くことです。
※フリーラジカル
体を工場と考えたとき、
工場から排出される有害なゴミ、
つまり体の産業廃棄物のようなもの。
私たちが吸った酸素は
その2%が有毒な活性酸素にかわり、
さらに、タバコ、排気ガス、紫外線、ストレスで
その数は急増します。
厳密にいえば、
フリーラジカルと活性酸素は全く同じではないが、
一般的にはフリーラジカル=活性酸素と考えられています。
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