第1065回
免疫力を高める
ガンとは、長寿成熟社会にもたらされた
「日本人の心身の生き方」の問題だという視点に立って、
医療制度の改革を提案し、
より急いで構築すべきだ――、
多くのガン患者のみなさん、
家族のみなさんと話していると、
僕は、ますますそうした考え方にとらわれます。
とはいっても、医療改革とは、
一朝一夕に果たせるものではありませんから、
賢いガン患者学の心得は、
医師や病院の選択に奔走するだけでなく、
一方で、ますます、
自らの心身の自然治癒力を高める――、
ガンに負けない体質にするため免疫力を高める――、
養生努力を怠れないわけです。
というわけで、何回かに分けて、
内外の「免疫治療の最前線」について
レポートしておきたいと思います。
まえに、拙著「天仙液 ガン治療革命」という本で、
台湾大学の免疫学博士・孫安迪医師が、
5年間にわたって、
漢方複合薬の天仙液の成分と作用を
マウスとヒトの実験で分析し、
かなりの免疫作用と
アポトーシス作用(ガン細胞の自殺死)
があることを実証した――、
こうした衝撃的なレポートを書きました。
この孫安迪博士の「免疫と漢方」についての見解を
紹介したいと思います。
以下は、「漢方健康ネットワーク」の
増刊号に掲載された
「21世紀のガン治療」国際医学会の
講演記事からの抜粋です。
*
台湾では、22年間にわたり、
免疫研究と共に患者さんの診察も行い、
そして免疫学の関連から
生薬研究も行っております。
国際的な文献などにも
論文を数多く出しております。
さて、今日のテーマは
「漢方と免疫」です。
免疫とは、病気による危害を除外することです。
これは、清朝の「免疫類方」にも記載されており、
主旨に至っては、
すでに2500年前の「黄帝内経」にも
記されております。
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