元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第992回
遅れている「日本のガン政策」

医師任せ、行政まかせから、
患者自身が医療消費者として
「患者主体の医療改革」に
参加すべきであるとする
全国の「ガン患者の会」の動きの話の続きです

アメリカに比べて大きく後塵を拝している
日本のガン医療システムですが、
遅まきながら、2004年4月より、
ガンの罹患率と死亡率の激減を目指す
「第3次の対がん10ヵ年総合戦略」が、
国の事業として開始されたようです。

しかし、現実には、どうでしょう?
地域や施設によって専門医が足りない、
未承認薬が多すぎる・・・などなど
医療レベルの格差が大きな問題となっており、
少しも改革が進展していないというのが現実です。
「がんと共に生きる会」などの 
患者サイドからは数万人の署名運動も起こり。
ガン政策の遅れは、
「政府に司令塔がない」ことが元凶だと、
いま、しきりと追求される時代となってきたわけです。

テレビで見た人もいるかもしれませんが、
こうした動きは、
「がんサポートキャンペーン」に積極的なNHKが、
特集番組を組んで、
このゴールデンウイークに流しました。

「国際的に標準薬として認められている抗ガン剤が
 日本では使えない」
「“未承認薬”が大きな問題だ」
「背景には製薬会社まかせの
 日本の新薬承認システムにある」
「第3次対がん10ヵ年総合戦略は機能していない」
「アメリカの国立ガン研究所のように
 ガン政策の司令塔がないのが元凶だ」

スタジオに参加した佐藤 均・
「がんと共に生きる会」会長をはじめ、
数十人の患者・家族からは、
ガン医療改革の鋭い批判の声が上がり、
垣添 忠生・国立がんセンター総長と
松谷 有希雄・厚生労働省審議官が、
しどろもどろの答弁を繰り返すのが印象的でした。

国は具体的に何が出来るのか・・・
という問いに対して
いかに心もとない行政対応が
現実の姿なのですね!
「厚生労働省内にガン治療関連の本部を作り、
 情報・政策を一本化できるのか?」
「抗ガン剤を専門に扱う腫瘍認定医を
 外科グループと内科グループのふたつの学会が
 作ろうとしているが
 一本化させることが出来るのか?」・・・

スタジオに出演した
患者や家族のみなさんばかりか、
見ている視聴者も切歯扼腕、
「患者は待てない」「明日の命がないのです」と
叫んだことでしょう。


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2005年5月15日(日)

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