元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第991回
「ガンと共生する」二つの発想

最近、インターネットの発達によって、
ガン情報が、格段と
自由に交換できるようになったのは、
とても喜ばしいことだと思っています。

とくに患者サイドからの体験データの公開によって、
ガンとは「必死に闘うもの」ではなく、
「上手に共生するもの」だという考え方が
浸透してきたようにも思います。
ことガンにかかわらず、
この長寿難病社会では、
「病気と仲良しに暮らす」・・・
この達人になることが
長い人生を快適に過ごす、
賢い知恵だと思う人が増えてきたのでしょう。

僕もこの考え方に賛成です。
いまや、2人に1人がガンになる可能性があり、
3人に1人がガンでなくなるといわれます。
また、すでに日本でも
300万人の人たちが、ガンの体験者として、
再発や転移を乗り越えて
生活しているわけですから、
いかに「ガンと仲良しに共生できるか?」
予防や早期発見も含めて、
これが、まさに「生き方上手」のヒケツと
なってきたわけです。

そして、ガン治療も
症状差、個人差、年齢差が左右し、
また、その人の「人生観」「処世観」によって、
患者自身の治療設計が違うということも
徐々にわかって参りましたから、
ただ医師や病院の言いなりになっているのは
おかしいと自覚する患者が
増えてきたといったらよいでしょう。

ですから、患者サイドの
「ガン共生の発想」「ガンとの付き合い方」も、
大きく分けて二つの動きに
分かれてきたように思います。
(1)ひとつは「最新治療の解禁・推進」という考え方。
(2)もうひとつは「生活習慣の改善・推進」という考え方です。

僕たちのスローヘルスの会は、
まず、(2)の「生活習慣の改善・推進」を土台にして、
患者自身が率先して、
家族、医師と協力して治療計画を
立てていこうという立場ですが、
最近、患者の会のあり方や意識も
多様化してきまして、
厚生労働省に向けて、
(1)の「最新治療の解禁・推進」を
組織的な運動として考えていこう
というグループが増えて参りました。

医師任せ、行政まかせであったガン治療を反省し、
患者自身が医療消費者として
「患者主体の医療改革」を
推進すべきであるという考え方です。
患者主体のガン治療を目指すうえでは
両方の意識改革が
「命を守る」「命を掴む」ためには大切なわけですが、
国の治療システム、医療行政に、
より積極的に患者が参加しようというのが
(1)の考え方です。


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2005年5月14日(土)

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