元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第914回
ガン治療の新しい価値観

「週刊金曜日」2月18日号、
黒川宣之さんの
「多重がんに見舞われて・ 
 体験的治療学(6)危機管理」に登場した
會田昭一郎さんのガン情報の収集法と
治療の選び方の話の続きです

會田さんはインターネットなどの徹底検索で、
副作用の少ない舌ガンの治療法に、
放射線を帯びた針を直接患部に刺して
内側から照射する「小線源療法」があることを知り、
とうとう、北海道がんセンター放射線診療部長の
西尾正道さんが
数少ない名手として知られていることを
突き止めたというのです。

          *

すぐにでも飛んで行きたかったが(略)、
札幌はあまりにも遠い。
あきらめていたとき、
連れ合いの方が
『近くで治療してうまくいかなかったら後悔する。
 行きましょう』と励ましてくれた。
二人で札幌に飛び、
そのまま入院して西尾部長の治療を受けた會田さんは
3週間で退院、
3日後に職場に復帰できた。
話したり食べ物を味わったりする機会も失われなかった。

          *

まさに、ガンになって、
それからの生き方を自分の判断で決める
「悔いのない選択」を果たしたことになりますね。

さらに會田さんの素晴らしいことは、
得た情報とノウハウを
自分の殻の中に閉じ込めるだけでなく、
多くの患者のために役に立つ
ネットワークを作ったことでしょう。

西尾部長に持ちかけて
2004年4月には
「市民のためのがん治療の会」
を立ち上げたというのです。
現在、会員は380名、
協力してくれる放射線療法の専門医は
42人だそうです。

この「市民のためのがん治療の会」については
当コラムでもNHKの番組紹介の記事の中で
紹介したことがありますが
放射線医療に遅れている日本の患者にとっては、
まさに役に立つネットワークを構築して、
患者主体のガン治療という
新しい価値観を実践的に実現したわけです。

すばらしいですね。
詳しくは「週刊金曜日」を読んでみてください。


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2005年2月26日(土)

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