第913回
いのちの選択眼=ドクターショッピング
「週刊金曜日」2月18日号、
黒川宣之さんの
「多重がんに見舞われて・
体験的治療学(6)危機管理」に掲載された、
「切らない治療」「副作用の少ない治療」で生き延びた
僕と會田昭一郎さんの二人の
情報収集と治療選択と人生観の話の続きです。
ま、このHiQコラムの読者ならば、
僕がベッドに持ち込んだノートパソコンで、
インターネット・ガン情報をかき集めて、
とうとう主治医の奨める
食道ガンの手術を断って、
「抗ガン剤+放射線+天仙液+SOD」で
5年生存率をクリアしてしまった話はご存知でしょうから
省きますが、
もう一人、會田昭一郎さん(62)は、
仕事柄、消費者問題のプロであるために、
その「副作用の少ないガン治療」を探したときの
いのちの選択眼は、
まさに家や車を購入するとき以上に、
自分の情報収集と判断を大事にするものだったようです。
いわゆるドクターショッピングの好例でしょう。
黒川レポート(6)を抜粋紹介します。
*
国民生活センターに勤めていた
2000年2月、舌の裏側が突起してきたので、
近くの総合病院で診てもらったところ、
舌がんとわかった。
4センチを越す大きさで(略)
主治医は放射線の外部照射と抗がん剤の併用を奨めた。(略)
発病のショックから立ち直った會田さんは、
それ以外の治療法はないものかと
探すことにした。(略)
国民生活センターもかつては医師を招いて
医療相談を開いていた。
住宅や車を買うときの心得を説いてきた
消費者問題のプロが、
命にかかわる大問題を
たまたま診てもらった医師の判断に
任せきりにしてよいはずはないと考えたのだ。
*
會田さんの賢かった点は、
自分主体の選択を大切にしたこと、
そして、問題解決の原則を
論理的に組み立てたことのようです。
「日本の放射線治療は国際水準よりかなり遅れている」
ことを突き止め、
先進的な海外の放射線治療情報を
インターネットで
徹底的に検索する作業から始めたのです。
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