元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第819回
「風水」は東洋古来の土木学なのです

この10月、僕たち夫婦が行った、
中国の霊峰・黄山、そして、その山ろくの
古民居の村々には
まさに気力エネルギーを蓄えて、
幸運を導こうとする、
東アジア独自の「生命場つくり」、
「環境作り」の伝統が、
いまなお根強く残っておりました。

西逓から奥に車で30分ほど入ると、
明清時代よりさらに古い、
南宋の時代から800年以上の歴史をもつ
白い壁と美しい池が印象的な村落=宏村が残されています。

ここは徽商の塩商人・汪氏一族という豪商の村ですが、
明の時代まで、風水害や火災にあって、
なかなか繁栄できなかったのですが、
風水の「蔵風聚水」
(風を蓄えて水を集める)の考え方に則って、
地勢を見、村作り、家作りを変えたところ、
明時代の萬暦年間から
一大繁栄を成し遂げたというのです。

この村がどういう風水的な村作り、
家作りをしたかといいますと、
まず、村の真ん中にあった自然の泉を広げて、
牛の姿形に似た大きな池を作り、
村の中に、まるで「牛の腸」のようにくねくねと;
1000メートルにのぼる人工水路を
張り巡らせたのです。
風水とはただのおまじないや方位占いではなく、
古来から伝わる、
東洋的な自然と人間の環境共存を目指す、
招福を願う地勢学、土木学の知恵といったものなのですね。

そのときに豪商・汪氏が招いた風水の名士は、
度重なる風水害や火災から村を守り、
長い繁栄を保つための土木の知恵として、
生気エネルギーを取り入れる地勢を測り、
風水学の応用で繁栄の村を作ったといいます。

「蔵風聚水」(風を蓄えて水を集める)の考え方に加えて、
「牛臥招福」(牛の豊かな形が富貴を呼ぶ)として、
池を臥せる牛の形に作らせたというので、
観光ガイドたちは、さかんに村の地図を見せては
「牛形村」のすばらしさを喧伝しておりました。

「蔵風聚水」の風水でつくられた宏村と鳥瞰図

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2004年11月23日(火)

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