元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第796回
「ガン番組」の賢い読み方

NHKテレビの朝のワイド番組・
「生活ほっとモーニング」の
シリーズ「がんとともに生きる〜患者パワーが医療を変える」
という番組の話の続きです。

番組では、
放射線治療医によるセカンドオピニオンの仲立ちをする
「市民のためのがん治療の会」に続いて、
インターネットでこの会を知って、
セカンドオピニオンを得て元気を回復した、
乳ガンの患者さんも紹介されました。
またスタジオには、この会に賛同した
西尾正道さん(北海道がんセンター放射線診療部長)と、
「がん患者学」の著者として有名な
ノンフィクション作家柳原和子さんも出席して、
「患者がコーディネートするガン治療」の重要性を、
自らの再発体験からしみじみと語っていたのが印象的でした。

さて、当日、テレビを見損なった人は、
「生活ほっとモーニング」が開設した
ホームページを開くと参考になると思います。
http://www.nhk.or.jp/hot/80/index.html
20人を超える患者さんたちが
患者だから出来る治療の工夫と知恵を語っています。

「がんとともに生きるための知恵や
 ヒントは患者自身の体験の中にこそあると考えるからです。
 そしてがん医療をもっと良くしていくのも、
 また患者の声です」
とNHKからもメッセージが書かれております。
まさにガン患者と家族が必見のサイトでしょう。

ただ、ここで、もうひとつ、
賢い患者学を体得して、
QOL(命の質)の高い闘病生活を送る知恵と秘策について
考えておきたいと思います。

というのは、
テレビにしても、新聞にしても、
ことガン治療の報道、情報については、
ほとんどが、大学病院などで公認されたEBM(標準治療)、
つまり、手術、抗ガン剤、放射線、
そして一部の免疫療法に限られた
治療しか紹介しません。
しかし、このコラムや
拙著「医者と患者でつくった ガン治療入門」
何度も書いておりますが、
患者本位の納得のいく闘病法とは
「治療と養生」の両輪があいまって成功するものなのです。

僕は、長いことメディアの仕事をしていたので、
マスコミの内情がわかるのですが、
大きなマスコミは、代替療法、食事療法や呼吸法、
さらに健康食品といった「養生法」は
科学的証明のない「いかがわしい治療法」として、
触れることをタブーにしていますから、
この点は注意して番組を見ておくことが大切です。

賢い患者学とは、
「治療と養生の合わせワザ」で決まるものなのですが、
視聴者のトラブルを避ける意味でも、
テレビ、新聞は「代替療法や食事療法でガンが快癒した」などとは、
口が裂けてでも報道できません。
法務部といったセクションでチェックしたり、
自主規制していますので、
ここは割り引いて見ておいたほうがよい――
僕は体験上そう考えています。


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2004年10月31日(日)

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