第764回
「天仙液」の免疫作用と抗ガン作用は?
9月17日に開かれた、
「これからのがんと統合医療」
というセミナーの話の続きです。
その日、なんといっても注目すべきは、
台湾大学附属医院教授・孫安迪(ソンアンディ)博士の
「漢方による免疫力作用・抗ガン作用について」
という講演でした。
孫医師は免疫学博士。
台湾大学医学院助教授、
同大学付属病院口腔内科医長などを務め、
世新大学ITセンター教授、天津医科大学、
上海中医薬大学客員教授なども兼任するという、
世界有数の免疫学の権威として知られている方ですが、
いかめしい肩書きとは違って、
笑顔が癒しに満ちた、
とてもソフトタッチな先生なのです。
前回、パネラーの一人、周東医師が、
「カラオケは命を活性化させる」と
患者に歌唱療法をすすめている
という話を紹介しましたが、
この先生もカラオケ療法をすすめるばかりか、
本人自身がプロ級の歌の名手。
台湾のテレビ番組のノド自慢大会で
チャンピオンにもなった経歴の持ち主で、
患者の間でも人気抜群の医師なのです。
さて、本題の当日の講演ですが、
「西洋医学に限界を感じたいま、
“自然に戻る、いわゆる自然治癒”で
注目される漢方(中医学)が
大切な役割を担ってきた」として、
漢方薬草にいかに免疫力があるかを、
マウスやヒトのガン細胞で証明した、
ビジュアル画像を使ったものでした。
孫医師によれば、
人参、零芝、牛黄、大蒜など漢方薬草には、
それぞれ異なる免疫調整作用があることを、
長年研究してきたそうですが、
当日、とくに注目すべき報告は、
5年間に渡って行われた
「天仙液における免疫及び抗ガン作用について」
という発表でした。
漢方薬というと、
日本では証明性の低い薬といわれていますが、
その日、画像に映し出された
細胞写真の数々を見ると、
免疫調整作用を証明するだけでなく、
なんと
「細胞毒殺作用、つまりガン細胞を
アポトーシス(プログラム細胞死)させる作用がある」
というではありませんか?
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