第754回
チベット医学の診察は? 薬は?
アムチ・ギャッツオさんの講演会で熱心に交わされた
質疑応答の続きです。
薬草についてはどうでしょうか?
Q:薬草栽培について知りたい。
A:現在薬の原料である薬草は、
ほとんどが野生の薬草である。
しかし栽培の必要性もあり、
ローマンタンでも実験栽培を進めている。
しかし、野生の薬草は生えている場所により薬効が違うため、
それを考慮した栽培方法が必要である。
栽培された薬草を実際に使うためには、
薬効等の検査をしなければならず、
現在のところ薬効はまだわからない。
Q:煎じ薬はあるか?
A:バターで煎じる薬や、牛乳で煎じる薬がある。
Q:投薬以外に五大元素と関係のある治療法はあるか?
(注・チベット医学では人間の生命は「サボン(種、受精)」、
五大元素(地、水、火、風、空)、
そして魂(ワンポ・ナムシェ)で成り立つと考えます)
A:五大元素に対応した色を利用した治療がある。
ティパの病気の人には白い景色を見せる、
目の悪い人には緑色を見せるなどがある。
Q:薬草の効果はどうやって見つけたのか?
A:2000年間の試行錯誤の中で見つけられた。
タルボという8世紀から使われている実は
現在も科学者が使っている。
Q:薬草の名前の統一や
栽培による薬効の変化の調査、
薬はどこで作っているか?
A:工場がカトマンズにある。
Q:薬草採取専門の人はいるか?
A:村人が採取して薬草買い付け業者に売っている。
中国、インドから買い付けにくるが、
売買の法的規制はない。
Q:薬としてきのこは使うか?
A:ルンの病気に使うきのこがある。
Q:薬の原料は?
A:薬草、骨、角、石のほかに
宝石が使われることもある。
ちなみにローマンタンでギャッツオ医師たちは
薬草栽培をどういう規模でやっているのかといいますと、
日本の北里薬科大学とも提携してやっているのです。
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