第709回
東アジアの「地勢学の知恵」を馬鹿にしてはいけない
もう少し、風水学の本質について、
なるべく簡便に紹介しておきたいと思います。
難病治療や医学だけでなく、
政治や経済、教育や家庭のあり方についても、
いまの日本ほど、
独自の歴史の知恵や伝統遺産を忘れて、
欧米一辺倒に血迷っている時代はないでしょう。
このコラムでいつも書いておりますが、
ガン治療には、
西洋医学一辺倒ではなく、
洋の東西を問わない
「ホリスティック(全人間的)」な発想法の必要性を
強調してきました。
とくに心身のエネルギーバランスをはかる、
食養生学=玄米菜食法、呼吸法を始めてから、
中国、いや東アジア特有の陰陽学や風水学の研究を
続けてまいりました。
その結果、体感的に分かったことがあります。
「人間と自然」の生命エネルギーの係わりを謙虚に認め、
運命、いや生活スタイルを改善するには、
「温故知新の発想をもっと大切にすべきだ」という考え方です。
日本はもちろん中国や朝鮮の民族が
6000年、4000年、2000年と育んできた
東アジアの地勢や環境の知恵を馬鹿にしてはいけないと
思うようになってまいりました。
ま、もちろん、いまは
時代錯誤の中国古代王朝や
清朝時代ではありませんから、
国運・国政までが陰陽道や風水学で
占われてはたまりません。
しかし、東アジアの多くの人たちの習慣の中には、
夏至、大暑、秋分といった二十四節季、
子丑寅といった十二支などが、
家運、結婚運、事業運を探るときに
生き生きと根付いていると思いませんか?
ですから、
単なる占い師の運勢術・家相術として、
陰陽学や風水学を一笑に付すのではなく、
いわば中国4000年、いや6000年の歴史の中で培われた、
東アジア独特の「未来予測環境学」
「生活改善学」と見直してみることが
大切なのではないか?
そうすれば、現代人が忘れてしまった
奥深い生活改善法を掴むことが出来る――
こうしたことを、最近、僕は痛感しているわけです。
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