元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第708回
風水学はただの運勢占いではない

猛暑の最中に出かけた、
台湾の温泉養生
そして風水解明旅行の話の続きです。
ちょっと話は横にそれますが、
その前に、風水学の歴史について、
なるべく簡便に紹介しておきたいと思います。

実際の風水診断とはどんなのものかといいますと・・・。
まず生年月日から、
陰陽五行(木火土金水)に基づいた
九星(一白水星、二黒土星など)や、
八卦(乾、兌、離、巽など)を使って、
本命運を掴むことは、
よく目にする巷の運勢占いと同じところがありますが、
本人の運勢だけでなく、
さらに自然や周囲環境の生命エネルギーを取り入れて、
運勢を換えていこう――
この診断方法が「占いと風水」の違いです。

周囲のよい気を取り入れて
その人の本命運をより好転させる実用哲学――
これが風水学と思ったら早いでしょう。
ですから、これまた古来からの陰陽による
「相性・相克」の関係から
生気や殺気を持つ方位や環境、地形を選び出す、
そして良運=ツキを呼ぶ環境を探り出す――
こうした中国6000年に伝わる
「未来予測環境学」が風水学の根源なわけです。

中国では「羅盤(ロオパン)」という方位鑑定盤
(八卦、九星、二十四山、六十四卦など
14種類を組み合わせたもの)
を使って方位を占うわけで、
これはじつに複雑で分かりにくいからでしょうか?
日本ではカラー金運占いや、
家相診断といった実に簡便なものが流行って、
いま若い女性にも風水ブームが広がっています。

しかし、本当の風水学とは、
人間と自然環境全体から、
人生の指針を推し量る、
まさに深遠なる「未来予測環境学」といったらよいと思います。

よく、運勢占いといえば、
僕の友人の中に九星による生年占いで、
「あなたは六白金星の生まれ年だから、
去年は臥薪嘗胆の年だったでしょう」――などと
わざわざ教えてくれる人がいますが、
こうした単純な占星術だけで割り切れるほど、
人間は単純な生命体ではない――
自然と人間の相関を知って、
もっと謙虚に
日々の生活を改善していくべきだ――
これが中国6000年の陰陽五行思想の基づいた、
風水学の本来の姿だと僕は考えています。


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