元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第547回
尿を診れば病気が分かる

ヒマラヤ王国の名医・ギャツオさんは
黄色とエンジ色の民族衣装の似合う
にこやかな人で、
先祖から六代目の国王の侍医として、
チベット医学の学校を経営、
また薬草農園を開拓し、
世界にチベット医学を普及させようとしている人です。
その東京での医学セミナーの模様を紹介しましょう。

チベット医学は、
先祖伝来の「四部医典」(ギュシ)を根本経典とし、
占星術と太陰暦と
5元素(地・水・火・風・空)の変化を合わせ診断します。
まえにも解説したように、
(1)ルン(風)(2)チーパ(胆汁)(3)ペーケン(粘液)の
3つの体液バランスを診て、
薬草などを調合する療法です。
細かく解説するとややこしくなるので省きますが、
ギャツオさんの話で興味深いポイントは、
「食物の消化を通して人間の身体が構成されている」
という根本発想でした。

このコラムの読者なら、
うん、医食同源の中国医学、
「病は食で治す」というマクロビオティック食養生の思想と
相通じるものがあるなあと感じたことでしょう。
いま、世界中に「病気は切って治す」という
臓器切断の西洋医学の発想が常識化していますが、
そろそろ人間の心身を丸ごと診る、
チベット医学のような
スローへルスな治療発想が
見直されてよいのではないでしょうか?

では、チベット医学の特色はなにか?
中国医学のように
目、舌、身体を診断することは同じですが、
チベットでは尿を診ることを重視しています。

ギャツオさんは続けます。
「食物が血となり肉となり、
 脂肪、骨、骨髄を形作り、体液となります。
 その過程で排泄物が出ますから、
 病気を診る、治すにはとくに尿診断を重視します」

早朝の尿を磁器かガラス器に取り、
泡や臭い、湯気、色を見れば
ぴたりと病気が分かると言うのです。


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