元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第546回
ヒマラヤ王国の王様の侍医

秘境の旅仲間でチベット文化研究家の
飯田泰也さんが紹介してくれたチベット医学の名医とは、
アムチ・ギャツォさんという方で、
「来日中に札幌、東京、西宮で、
 チベット医学の講演会を催すのでいらっしゃい」
というものでした。

チベット医学はインドのアーユルベーダ医学と
中国の医学を合わせた、
じつにホリスティックな(全人的な)奥の深い医学です。
病の原因は「貪り」「怒り」「無知」の
3つの毒(煩悩)だというのですから、
臓器を切ったり、細胞を分析して、
対処療法をする西洋医学の治療法とは全く発想の違う、
心身丸ごとを診る医学なのです。

また、中国医学では
(1)気(2)水(3)血の流れと
そのバランスで治療をしますが、
チベット医学では
(1)ルン(風)(2)チーパ(胆汁)(3)ペーケン(粘液)
といった3つの気液・体液の命の源と考え、
このバランスが崩れると病気になるという考え方です。

まあ、ガンのように食物やストレスなどが複雑に起因する、
生活習慣難病が蔓延してくると、
いよいよ日本人にも関心が高いのでしょうね。
東京・青山の国際会議室を借りて開かれた
チベット医学セミナーの小さな会場は、
老若男女で溢れました。

さて、アムチ・ギャツォさんのアムチとは、
チベット語でお医者さんの意味で、
本名はギャツォ・ビスタさんです。
なんと、そのギャツォさんは、
おそらく世界で1番小さい王国、
ヒマラヤのムスタン王国から来た、
王様の侍医なのですね。
ムスタン王国? 
聞いたことがないなあという人が多いでしょう。

南北に長いネパールの北部、
チベットとの国境沿いにある小国です。
16世紀に建国され、人口5000人、
連綿とチベット文化の伝統を守っている王国で、
いまはネパールの自治州になっているところです。
ギャツオさんは、まさにお伽の国から来たお医者さん、
じつに笑顔が素朴で素敵な人でした。


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