第22回
顔が赤くなる酒飲みタイプは「イッキ飲み」をやめた方がよい?
「酒は飲めるが顔が赤くなる。
いわゆる酒に弱いタイプだから食道ガンに罹ったのでしょう」
僕の遺伝子ドッグによる体質診断の結果はこうでした。
とくに日本人の場合、酒に強いか弱いか?
次のような3種に分けられるようです。
A.酒に強いタイプ
B.酒は飲めるが顔が赤くなる酒に弱いタイプ
C.酒に弱く、飲めないタイプ
僕の場合はBタイプ。これは日本人に40%もいるそうですが、
顔を赤くしながらも粋がって、
酒を飲みすぎたのが、食道ガンの原因の一つというわけです。
僕のように、食道ガンのリスク因子を持つタイプの体はというと、
ALDH2が欠損している状態をさすようです。
これは、平成12年度の厚生労働省の「がん研究助成金研究」でも
さまざまな報告があがっています。
「男性飲酒者ではALDH2ヘテロ欠損で食道ガンは11倍、
頭頸部ガンは6倍リスクが上昇する」
「さらに飲酒で顔が赤くなるタイプの人の食道ガンリスクは94倍になる」
というではありませんか。
ではALDH2とはなにか?
お酒を飲んで、アルコールが体内に入ると、
アセトアルデヒドに分解されますが、
アセトアルデヒドという分解物質は極めて毒性が強く、
顔面の紅潮、頭痛、吐き気、頻脈などの不快な症状を引き起こし
悪酔い・二日酔いの原因といわれています。
さらに、このアセトアルデヒドを分解するのが、
アルデヒド脱水素酵素(ALDH)です。
1型と2型がありますが、血中の濃度が低い時には、
まず2型(ALDH2)が活躍します。
ところが、日本人の場合、約40%がALDH2の働きが弱い。
「低活性遺伝子体質」でお酒に弱い人は
このアセトアルデヒドという毒素が体内血中に溜まり、
食道ガン、咽頭ガンのような上皮性ガンを併発するそうです。
さらにもうひとつ興味深い研究も報告されています。
ALDH2の不活性なタイプは、
実はモンゴロイド系にしか存在しないようなのです。
日本人44%、中国人41%、韓国人28%と言われ、欧米人ではみられません。
このタイプの人は、ごく少量のお酒でも、
気分が悪くなり、毒素が蓄積されるといいますから大変です。
やはり若き日のお酒のイッキ飲みなどは
ガン予防のためにも慎んだほうが良さそうです。
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