元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第21回
いまや遺伝子診断で「あなたの病体質」が分かってしまう

阿部博幸博士の遺伝子ドッグは、
東京の九段下にありますが、
日本初の「遺伝子解析診断」のシステムだといいます。
ガンの症例別にいろいろなコースがあり、
遺伝子ドッグで予知できる病気には、
肺ガン、食道ガン、咽頭ガン、子宮ガン。
それだけではありません。

高血圧症、動脈硬化症、狭心症、心筋梗塞、心臓肥大、
肥満、アルツハイマー病、骨粗鬆症なども分かるわけですから、
治療ではなかなか進歩しない西洋医学も、
こと遺伝子解析、さらに予防医学としての検査分析の分野は
かなり便利になったものです。
もちろん、これからは個人情報のプライバシー秘匿の
問題がネックになりますから、
実際に普及するには時間がかかりますが、
とにかく、己がガンにかかりやすい体質かどうか?
ずばり分かるといいますから、
すでに担癌者としては遅きに失してはいましたが、
興味津々で遺伝子診断を受けたわけです。

この検査料金はまだ高いのですが、
手順は驚くほど簡単です。
頬の内側を綿棒でこすり頬粘膜表面の細胞を採取する。
その細胞からDNAを分離して、DNA上に並んでいる
病気になりやすい遺伝子を解析していく。
もし体質的に病気の危険があれば、
現在症状がなくても生活習慣を積極的に変えて行くことで、
その病気を未然に防げる…というのです。

たとえば、飲酒による食道ガン・咽頭ガンに係わるALDH2、
肥満に関しているβアドレナリン受容体、
アルツハイマー病のアポリポ蛋白E4/4などなど、
さまざまな遺伝子情報がわかっているので、
発見されれば生活習慣の工夫で発症を抑えられるというわけです。
さて、僕の受けた食道ガン因子検査ですが
阿部博士の診断はこうでした。

「うん、タバコは大丈夫だが、酒は3段階評価をすると、
 ABCのBタイプです。
 つまり、酒には弱いイエローカードの遺伝子を持っています」
というではないですか。
遺伝子ドッグが20年前にできていれば、
僕の食道ガン体質が未然に発見され、
飲食生活の改善で、ガンを防げただろうというのです。
これからの働き盛りは胃カメラ程度の健康診断だけでなく、
遺伝子診断も考えた方が命を守るためにはよいのかも知れません。


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2002年9月17日(火)

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