第1809回
北京でパンを買うなら三全公寓のQ'sカフェへ
前にも中国で
パン屋とケーキ屋をやる人おりませんかと
呼びかけたことがあります。
その時は北京でなく、上海でした。
しかし、その時はデパートの中に進出した
私の知っている人が
健康を害して店を譲りがっていたので、
私が仲介を買って出たのですが、
うまく折り合いがつかず、
そのまま立ち消えになってしまいました。
今度は私自身が提唱したので、
邱友会の古くからのメンバーで、
横浜と大森でパン屋とケーキ屋を営んでいる
東山堂の原田さんが
「この次、センセイが大陸に行く時に
家内と息子を下調べのために連れて行ってくれませんか」
と申し出てくれました。
早速、奥さんとアンデルセンで修行した息子さんを
上海と北京に案内すると、
どちらの同業者のところも一通り見てまわり、
東京へ帰ってから奥さんがご主人の肩を叩いて、
「あなた、ラスト・チャンスですよ」
と北京で店づくりをすることに賛成してくれたそうです。
「助かりました。
家内に反対されたままで
僕がセンセイの手伝いをすると
やりにくいなあと思っていたのですが、
家内も息子も乗り気ですから、
これで心を打ち込んで仕事ができます」
本人は大喜びですぐに夫婦で北京にとんでくれ、
私の北京のスタッフたちも
昼も夜についでの援護射撃をやって
店はもとよりのこと、
オランダやデンマークまで最新鋭の機械をとりよせて
ケーキとパンの工場をつくり、
ベテランのパン職人と
ケーキ職人まで送りこんでくれました。
おかげで、春に計画したことが、
8月18日にはオープンできるところまで
漕ぎつけることができました。
ろくに広告もしていませんが、
うまいパン屋とケーキ屋ができたぞ
というニュースは
口こみでたちまち日本人の奥さんたちの間につたわり、
11月には早くも採算線スレスレのところまで
漕ぎつけることができるようになりました。
いま北京はまだ冬のさなかですが、
春の声をきいた途端に
お客が店の表まで並ぶのではないかと期待しています。
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