第1808回
北京にコーヒーのテストショップをつくりました
コーヒーを手がける以上、
コーヒー店がどういう具合に経営されているのか、
どこにツボがあるのか
勉強しないわけには行きません。
またいまハヤリのスターバックスとか、
タリーズとか、あるいはドトール・コーヒーが
それぞれどうして成り立つようになったのか、
その秘密を理解する必要もあります。
どうせ勉強するなら、
コーヒー店をひらいて見ようと思い立って、
北京の三全公寓のクラブハウスの
子供の遊び場を改造することにしました。
三全公寓は北京に進出する外国企業の
高級幹部のために建てた高級マンションで、
五つ星のホテルと同じジムやサウナや
温水プールなどの設備を持っています。
私はクラブハウスの経営に関心がなく、
毎月泊っていても
ゴルフの練習場やカラオケやサウナにすら
一度も足を踏みこんだことがありません。
しかし、コーヒーハウスの
テストをする必要に迫られて見ると、
外国人が300世帯も住んでいるところだし、
自動車の停る側に面して店をつくれば、
北京に住む外国人を先ず実験台にして
経営のテストをすることができます。
いざそういう目で見なおして見ると、
コーヒーを売っただけでは
いくら「幻のコーヒー」であっても
一日に100杯売るのは容易なことでありません。
コーヒーの売り上げだけでは
家賃が払えたらよい方で、
店として成り立つためには
どうしてもパン屋とケーキ屋も
兼ね備えた店にしなくてはならないのです。
毎月のように大陸へ行くのですが、
大陸に行って閉口するのは
パンとケーキのまずいことです。
上海はまだいくらかましですが、
北京はルフトハンザのデパートでも
とても口に合うパンやケーキには
出会うことはありません。
よし、こうなったら、
パンとケーキ屋から
はじめることにしようと決心しました。
私が月に一ぺんひらく邱友会という
私の話をきく会には
何百人もの会員が集まります。
万般の商売の人がいますから、
声をかけたらすぐにも反応がありました。
私の会に集る人はせっかちな人ばかりですから、
すぐにパートナになってくれる人が
見つかったのです。
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