売り上げの大きい小さいは、店のロケーションにもよるし、周辺に住む人たちの懐具合にもよるし、また近くに競争相手がいて激甚な食い合いをさせられるかどうかにも左右される。
しかし、一か月の間に売り上げに大きな波ができるかどうかは、住宅区が懐の暖かい人たちによって構成されているか、安サラリーマンが集中しているか、に大きく影響される。たとえば、都立大学前は比較的富裕な人が多いので、衣料もたくさん持っており、衣替えのシーズンになると、洗濯物がわんさと持ち込まれる。月給日前だから、急にお客が減ってしまうということがない代わりに、アイロンをかけますかときくと、いいえ、自分でかけますからいいです、と締まるところはちゃんと締まっている。
ところが、鍋屋横丁に行くと、アパート住まいの人が多くて、一張羅を着てきてその場で脱いで機械の中に投げ込み、洗濯をしている間中、シャツとパンツだけになって待っている人もある。月給日の一週間前になると、閑古鳥が鳴きはじめるが、月給日の直後はドッと押し寄せてきて、これ、アイロンをかけておいてくれなどと気前のよいこと。
したがって、金持ちの多い地域と貧乏人の多い地域とでは、売り上げに大きな差ができることは避けることができず、同じ投資をして店をつくっても、立派に採算が成り立って行く店もあれば、どうしても赤字から這い上がれないで頭を抱えてしまう店もできてしまうのである。
どうしてこういう違いが生ずるのであろうか。よく市場調査をしないからこういうことになるのだ、という人があるが、それは後講釈で、誰がどんなに綿密に計画をしても、数多く店をつくっていくうちに、必ずAランクの店とBランクの店とCランクの店ができてしまうのである。
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