第357回
検査を受けると、尿に異常が・・・
腎臓が悪くなっている状態で
病院で検査を受けると、
大抵の場合、
尿に“タンパク”が下りています。
なぜ、腎臓が悪くなると
尿にタンパクが下りるのかといいますと、
腎臓の中にある
血液を濾過する働きを持つ
糸球体の部分が弱ってくるためです。
本来、タンパク質は
身体に必要なものですから、
腎臓の機能が正常で
適正なタンパク質の摂取量であれば、
糸球体からタンパクが
漏れ出すようなことは余り起こりません。
しかし、何らかの理由で
糸球体自体が弱ってくると、
タンパク質の摂取量が適正でも
尿の中にタンパクが
漏れ出てくるようになってきます。
また、腎臓を通過した血液は
糸球体で濾過され、尿として
尿細管のほうへと送られてきますが、
尿細管はもう一度、尿の中から
必要な水分や電解質を再吸収して
身体の中へ取り込もうと働きかけます。
しかし、この尿の中に
タンパクが存在していると、
尿細管の細胞を傷つけてしまいます。
これが、尿に“タンパク”が下りると
心配しなければならない主な理由です。
※厳密にいえば、健常人の場合でも
泌尿器系統の細胞片が尿に混じりますから、
1日、50〜100mg程度の
タンパクは尿中へと排泄されます。
そのため、臨床的には
1日、150mg以上をタンパク尿と判定します。
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