| 第356回「腎臓からの悲鳴!」
 タンパク質を過剰に摂取した場合、腎臓を傷めることがあるのは
 腎臓の血管に大きな負担が掛かるからです。
 腎臓は左右に2つありますが、
 実は身体全体の0.5%ほどの大きさしかない
 意外と小さな臓器です。
 ところが、
 この小さい臓器に流れ込む血液の量は、
 身体の中を流れる血液全体の
 約25%もの量があるのです。
 また、腎臓の中に数多く存在している、血液を濾過し尿をつくる働きを持つ
 糸球体とよばれる非常に大切な器官は
 すべて毛細血管からできており、
 この部分に掛かる血圧は
 他の臓器の毛細血管に比べ
 約4倍も高い圧力といわれています。
 リンはカリウムとともにほとんどの食品に存在する物質ですが、
 タンパク質には他の栄養素に比べて
 かなり多くのリンが含まれているため、
 タンパク質の大量摂取は
 血液中のリンの量も大幅に増加させます。
 そして、過剰になった血液中のリンは
 血管壁にカルシウムを沈着させて、
 動脈硬化の進行を促進したり
 腎臓の糸球体の毛細血管を痛めつけます。
 さらに、タンパク質を体内で処理した後の燃えカスは酸性を示し
 血液をアシドーシスへと傾かせますが、
 腎臓は、血液中に増加した
 余分な酸性物質を尿に溶かして
 身体の中から排泄し、
 血液を元の正常な状態に戻そうと
 一日中、頑張って稼動を続けます。
 現在の日本人の食生活は以前と比べて、肉や魚、
 乳製品といったタンパク質を
 多く含んだ内容になっているため、
 腎臓の負担は
 どうしても大きいものになりがちです。
 |