虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第1回
漢方と中医学の違いは?

「漢方」と「中医学」両方とも中国語みたいですが、
漢方という言葉、実は日本語なんです。
ですから漢方といっても中国では通じません。
中医学は中国の言葉ですから、当然あちらでも通じます。

漢方とは江戸時代の中頃に
オランダ人によりもたらされた西洋医学を
「蘭方」と呼んだのに対して、
それまでの日本古来からの医学を呼ぶために
新しく作られた言葉なのです。
漢方はその字からも分かるように、
中国の漢の時代の頃の古代医学を主に基礎にしています。
それが年月を経て、日本で独自に変化をしていったものですが、
現在でも内容ややりかたは昔とそれほど大きく変っていません。

一方、中国では、漢よりかなり以前の医学も
後の時代の人々により研究され取り入れられました。
さらに、その後も研究は続けられ、
いろいろな時代の医学や他国の医学を加え
発展変化していきました。
その過程は、気が遠くなるほど膨大で
困難な作業の連続だったと想像されます。
近代になってから、それらは統一され
「中医学」と呼ばれるようになり
中国の正統な医療と認められました。
今では「中医は西医に学べ、西医は中医に学べ」というように、
中医学の良い部分と西洋医学のすぐれた部分を
融合させる試みも盛んに行われています。
そのため、中医学は科学と同じように年々進歩していっています。

そんな訳で、中医学には中国4000年の歴史と知恵があり、
また西洋医学にも十分対抗できる実力もあります。
さらに、西洋医学の苦手な分野にも強いことが大きな特色であり、
最大の魅力でもあるのです。
(現在では点滴や注射薬にまでも使われています)


- 「東洋医学の名医134人」に紹介されました -

実業之日本社から発刊の
「東洋医学の名医134人」に紹介されました。
日本漢方の大家 大塚恭男先生、
「気が付けば、あなたもガン」でもおなじみの
日本ホリスティック医学協会会長 帯津良一先生、
東京大学医学研究科元教授 丁宗鐵先生、
富山医科薬科大学病院長で副学長でもある寺澤捷年先生など、
錚々たる顔ぶれで誠に恐縮するばかりですが、
「東洋医学と西洋医学を繋ぐ架け橋でありたい」
と願う自分のスタンスを少しでも
多くの皆さんに知っていただければ幸いです。

 

2005年5月14日(土)更新
- このコラムは連載終了いたしました -

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■城戸 克治 (きど・かつはる)
1957年福井県生まれ。薬剤師。北京中医医院にて、中医薬学・中成薬応用研修課程修了。日本薬剤師会、薬局薬剤師指導者研修課程修了。漢方薬だけでなく、病院で処方される医薬品、薬局で販売される医薬品、健康食品、養生法などについても造旨が深い。
平成12年12月、ノンフィクション作家 山根一眞先生、高名な気象学者でもある東京理科大教授 吉川友章先生、ガンの患者学研究所代表 川竹文夫先生ら総勢10人で、「ものごころの会」を結成。
HPは「漢方薬局・漢方薬店 虎ノ門漢方堂


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