虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第349回
花粉症に、大きな異変が・・・

「季節性アレルギー性鼻炎」、
これが“花粉症”の正式な名称です。
花粉症は、特定の植物の花粉によって
引き起こされるアレルギー性疾患の1つで、
飛散している花粉が目に入ったり
鼻の粘膜に接触することで発症します。
毎年、特定の植物の開花時期に
発症をくり返すことが、
花粉症の大きな特徴です。

日本で一番、患者数が多いのは
もちろんスギ花粉によるものですが、
最近はどういうわけか、
他の植物の花粉にもアレルギーを起こす
スギ花粉症の患者さんが増える傾向にあります。

毎年、飛散するスギ花粉の量は
一定ではなく、
前年の夏の天候の具合いによって
大きく左右されます。
例えば前年の夏、暑くて
雨がほとんど降らなかった場合は、
スギの雄花(おしべ)の生育がよくなるため
次の年の花粉の飛散量はかなり増加します。

また通常、スギ花粉が飛ぶのは
2月中旬から4月の中頃までですが、
引き続いてヒノキやブナ、マツ、
さらに6月からはイネ科の植物、
夏から秋にかけては
ブタクサ、ヨモギ、カナムグラなど
ほとんど年中、
花粉症の原因となる植物の花粉が
日本列島を飛散しています。

つまり、よく考えてみれば、
他の植物の花粉にもアレルギーを示す
スギ花粉症の患者さんが
増えてきている現象は、
日本では、そのうちに
花粉症が単なる季節性の病気で
なくなるということを
示唆しているわけです。


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