第348回
貧血、低血圧に効果がある貝
東北、宮城県塩釜市の桂島で、
ゴールデンウイーク恒例の
潮干狩りのイベントが
急遽、取り止めになったという
気の毒なニュースが報道されていました。
干潟のアサリが、“天敵”である
「サキグロタマツメタ」
という肉食性の巻き貝に食い荒らされ、
壊滅的な打撃を被ったことが原因だそうです。
アサリは、鉄分やビタミンB12が豊富で
貧血、低血圧などの
症状の改善に効果がある、
また、貝特有の旨み成分である
コハク酸も多く含まれている人気の貝ですが、
不思議なことに、料理法は
酒蒸し、佃煮、深川めしなどの
加熱して食する場合がほとんどで、
生食用のアサリは見かけたことがありません。
理由は、アサリには
ビタミンB1の分解酵素が含まれているため、
加熱して食べないと
“脚気”になる恐れがあるからでしょうか。
脚気とは
ビタミンB1欠乏による栄養失調の一種で、
足のむくみや神経痛に似た症状から始まりますが、
進行すると心臓マヒを起こすこともある
危険な病気です。
昔は栄養不足による
ビタミンB1欠乏が脚気の原因でしたが、
現在は、清涼飲料水や
インスタント食品の取り過ぎによる
ビタミンB1の消費量の増加が原因で、
脚気の罹患率が再び上昇してきているようです。
※潮干狩りのイベントが
中止になったというニュースを見て、
なぜか、アサリと脚気を連想してしまいました。
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