虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第290回
「黒酢、斬りっ!」

「昔から、酢は身体にいいと言われています。
 これは、酢酸やクエン酸などが
 体内サイクルをよくしてくれることに加え、
 髪や肌、筋肉、血液にいたるまで、
 私たちの身体を構成しているアミノ酸を
 バランス良く含んでいるからです。

 黒酢には、このアミノ酸が
 通常の米酢の約10倍も含まれています。
 人間の細胞は
 毎日生まれ変わっていますから、
 その材料となるアミノ酸も
 毎日とりたい栄養成分なのです。」

「黒酢の人気の理由は、
 天然アミノ酸の含有量にあります。
 黒酢は、天然アミノ酸が豊富で
 身体に大変よいと言われています。
 では、アミノ酸は具体的に
 どういった効果をもたらしてくれるのでしょう?

 アミノ酸には、バリン・ロイシン・イソロイシン・
 リジン・トリプトファンなど、20種類あります。
 心臓や肝臓などの臓器、
 神経伝達物質、筋肉などを構成するなど、
 生命活動に欠かすことのできない
 大変重要な存在なのです。
 “人の身体は、アミノ酸からできている”
 と言っても過言ではないでしょう。」

以上は、チラシや雑誌、テレビ、
新聞、インターネットなどの
「黒酢」の宣伝広告に
よく使われている文章です。
一見すると、黒酢には
天然のアミノ酸が非常に豊富に
含まれているような印象を受けますが、
決してそんなことはありません。

黒酢の成分分析表を確認すれば
簡単に分かることですが、
黒酢1.8リットル分の量の
天然アミノ酸を集めても、
玉子1個分に含まれている
天然アミノ酸の含有量には遠く及びません。

つまり、黒酢の類いのものを
いくら濃縮された形で摂られても、
天然アミノ酸の量に関しては
ほとんど大して意味がないということです。


←前回記事へ 2004年12月2日(木) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ