第277回
新潟県中越地震、片栗粉が避難生活の救世主に!
新潟県中越地震で
車内で避難生活していた方々の中に、
「エコノミークラス症候群」とみられる
多数の死亡者が出て問題になっています。
エコノミークラス症候群とは、
飛行機の座席などの狭い空間内で
長時間同じ姿勢を取り続けることによって
足の静脈に発生した血栓が、
肺まで運ばれ肺の血管に詰まった状態で、
呼吸困難や心肺停止などの
非常に危険な症状を引き起こします。
テレビや新聞などの報道でも、
同じ姿勢を長くとらないようにする・
水分を適度に摂取するなど、
エコノミークラス症候群の
防止策を広く呼び掛けておりますが、
これから本格的に寒くなり、
避難生活が長引いてくれば
その危険性はさらに高まってきます。
先日のコラムでは、
エコノミークラス症候群を
予防するための水分の補給には
「お湯」が最適と書きましたが、
もし葛粉や片栗粉などが入手可能でしたら、
それらを熱いお湯に溶かし、お好みで
砂糖やしょう油、味噌、ミルクなどを加えて、
重湯のようにして
お飲みになられてもよいかと思います。
「葛根湯や生姜湯を飲めば、
身体がポカポカ温まって風邪が治る」
といわれているのも、
葛粉がその中に含まれているからです。
葛粉や片栗粉などを熱湯などで溶いて
トロミをつけてやれば、
ちょうど暖かいアイスノンのようになって
身体を心の底から温めてくれます。
また、のどの粘膜を乾燥から防いで、
風邪などのウィルスから守ってくれます。
※トロミをつけた飲みものの場合、
熱い状態のまま口の中に入れますと
非常にヤケドしやすくなります。
必ず、ぬるめの温度に冷ましてから、
少しずつススルようにしてお飲みください。
※葛根湯には、麻黄(マオウ)という
交感神経の興奮剤が含まれています。
そのため、葛根湯を飲むと血圧が上昇したり、
頻脈になって心臓に負担が掛かることがあります。
また、生姜湯の場合でも、
ストレスで弱った胃腸には刺激が強すぎて、
胃潰瘍や十二指腸潰瘍になったりすることもあります。
今回の避難生活の場合では、
誰でも安心して飲むことが出来る・
ありきたりのもので簡単に作れる、
ということが非常に重要なポイントになります。
ですから、葛根湯の使用は止めてください。
また、生姜湯の使用もなるべく控えてください。
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