第276回
カメやヘビに、免疫力は無い!
動物が進化する過程で、
爬虫類などの変温動物から
鳥類など恒温動物への進化は
生物学上、特に画期的だったものとして
記録されています。
進化は、食べ物を効率よく
エネルギーに代える方向に進むため、
自ら体温を一定の温度に保ち
生体内の酵素反応を高めることは、
その目的を遂げるために
最良で必要不可欠な方法であったのでしょう。
しかし、恒温動物への進化は
体温を一定の温度に保つことで、
ウィルスや細菌などの微生物にも
増殖するのに最適な環境を与えてしまい、
変温動物に比べてより厳密に
外敵の侵入を防ぐ必要が出てきました。
その結果、生み出されたものが
「免疫の仕組み」で、
自分の身体にとって
異物かそうでないかの認識をすることが
免疫の一番重要な役目になっています。
つまり一言で
免疫の仕組みを説明すれば、
警備保障会社の監視カメラのようなものです。
外敵の侵入を発見すれば、ブザーを鳴らして
警備員に不審者の侵入を知らせてくれます。
ただし、監視が主な仕事なので、
警備員としての働きはあまり多く望めません。
また一般に、免疫の仕組みは
外敵侵入に対するすぐれた
防御システムのように思われていますが、
実際は意外に弱点が多く、
ちょっとした精神的ストレスや
生活環境などの変化で
簡単に破綻してしまうことがあります。
従って現在、大ブレーク中の
「免疫革命」の著者である
安保先生が言われておられますように、
ストレスを出来るだけ少なくすることは
免疫力を高める上で
理論上でも、非常に大切なことになります。
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