| 第124回商いの育て方
 商いは売り買いです。売り手と買い手が結びつけば商売が成立しますが、
 これに血道を上げているのが商売人です。
 あなた自身売り手になる場合もありますし、
 買い手になる場合もあります。
 また、売り手と買い手を結びつける役回りもあります。
 さし当たって自分自身に売り物が無い場合には、
 この代理人になるのが手っ取り早いでしょう。
 最初は儲けを上げることができずに苦労します。でも、買い手が何を望んでいるかに気がつくことができれば、
 それが浮上のきっかけになります。
 買い手が直接買わずにあなたを通すのは、
 (1)忙しくていちいち売り手と掛け合っているヒマがない、(2)あなたが買い手の要望を理解しており、
 適当なものを紹介してくれると信用している、
 (3)代理人が在庫の心配や、「つけ」での買い物とか、
 金繰りの融通をきかしてくれる、
 等々の理由で、「そこまでやってくれるのなら」多少手数料を払っても
 そちらの方が安上がりだ、と思ってくれたらシメたものです。
 元手がないうちは、頭をひねって他人のふんどしを借りてでも、売り手と買い手のギャップを埋めようとしているうちに、
 少ないながらも鞘を稼げるようになってきます。
 そうすると、もう少し利益を上げられる手はないかと考え出します。
 いろいろな売り手と買い手を結び付けているうちに、
 どの分野が「手薄になっている」、
 つまり買い手はあるのだがあまり売り手がいないのか、
 が分かってきます。
 では、いっそのこと自分が売り手自身になってしまおうか、ということを考え出しますが、
 モノを自ら作って売るということは、
 代理するほど簡単ではありません。
 手薄になっているのはワケがあり、作るのが難しいからなのです。
 では、どうするか?
 その売り手であった会社を引退しそうなベテランを
 引っこ抜いてきて作り方を教えてもらいます。
 作れるようになったら自ら工場を建てて、
 晴れて売り手の仲間入りです。
 利益がさらに増えてくると
 今度はヒトだけでなく
 他の売り手丸ごと呑み込むことができるようになります。
 このようにして大きくなった台湾の会社の一つが、
 Holy Stone(禾伸堂)という会社です。
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