| 第125回カラオケ・イン台湾
 台湾の人たちは、総じて唄が好きなように思われます。このあいだの台風「海棠(はいたん)」では、
 台北市内の被害は予想されたほどにはひどくなかったのですが、
 風雨が少し止んだ途端にKTV(カラオケボックス)に繰り出し、
 家族ぐるみ、あるいは友達同士で熱唱する姿が
 TVニュースで放映されていました。
 恐るべし、台湾人。
 唱の好みは当然年代やヒトによりバラバラですが、高年齢層はやはり浪花節系
 (北京語で何と言ったらいいのかわかりません)がよいみたいです。
 70歳台以上であれば日本語がわかるはずですが、
 戦後生まれで日本語がしゃべれなくても演歌は好きみたいで、
 バスに乗ると時々、北島三郎とか、五木ひろしとか、
 大音量でかかっていたりします。
 タクシーに乗っても、
 客が日本人だとわかると気をきかしたつもりで
 日本の楽曲をかけてくれる運転手さんがいますが、
 いったいいつの、誰の唱なのか皆目見当つかなかったりするところが
 ご愛嬌です。
 若い人たちの間では、もちろんラップとかポップスとか、そういうジャンルですが、
 他のアジア諸国同様、
 日本人歌手には親しみを感じてもらっているみたいです。
 「宇多田(ゆーどぅおーてぃえん)」とか
 「濱崎歩(びんちーぶー)」とか、
 最近では「Orange Range(これはそのまま)」
 とかですね。
 台湾の歌手でも、北京語+英語のポップス系で
 米系や日系のアーティストを追っかけている歌手もあれば、
 台湾語にこだわる長渕剛系のシンガーもおり多種多彩です。
 カラオケではバラード系の唄が好んで唄われるので、
 日本人がこれらの唄を覚えて披露すると、仲間に入れてもらえます。
 一緒に楽しんでいて面白いのは、唄う部分が終わるとさっさとちょん切って、
 次の唄に入るところです。
 これは映画でも同じで、
 本編が終わると最後のクレジットを気にすることなく
 席を立ち出口へ殺到します。
 コンサートでは、
 歌手が舞台を去るとアンコールなしでさっさと・・・。
 余韻を楽しみたい我々にとっては「・・・」、なのですが、
 これも民族性、ということでしょうか?
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