石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第112回
臆病でケチでせっかちなのが経営者

あなたなら、社長さんの気立ては良いのですが
業績が悪く給料が好くない会社と、
社長はとにかく小心者でケチで細かいことにうるさいのに
業績が良く給料が好い会社と、どちらで働きたいですか?

どっしりと構えて大きな決断をバン、と下すのが
経営者と思われるかもしれませんが、
そこに至るまでに、「ああなったらどうしよう」とか、
「ここがうまくいかなかったらどうしよう」とか、
あーでもないこーでもないと
起こり得るネガティブな展開を想像できるだけ想像し、
それらになんとか対処できるだけの目算を弾いて、
恐る恐る足を踏み出す、
というのが実際のところではないかと思います。

経営者である以上、
結果として会社のおカネを増やすのが使命ですから、
一円足りともムダにはできません。
増してや、土地家屋を担保に取られて
借金の連帯保証人になっていたら・・・。
工場でホコリを被っている設備を見つけたり、
材料が床に散乱しているのを発見した日には、
頭に血が上るのもムリはないですね。

経営者が一番重視するのは、現実です。
世の中は一見ゆっくりと、でも確実に動いていきますが、
その方向を見失ったり気が付かないと舵取りを間違います。
現実を見て、知って、もし世の中と会社の方向にズレを感じたら、
すぐに修正しなければなりません。
たとえ、「昨日まで言ってたことと話が全然違うじゃーん」
と社員から訝しがられようと、
やると決めたら今すぐに動く、
ここが経営者としては一番難しいかも知れません。
組織が大きくなってくると必ず抵抗勢力が生まれますから・・・。

かくして、社員から見ると、
「一見小さいことにやたらとこだわり(臆病)、
やたらとおカネに細かく(ケチで)、
とにかくわがまま(せっかち)な」社長像が生まれます。
しかし、社員から何と思われようと、
会社を潰さないようしゃにむにやっているうちに
だんだん面の皮が厚くなってきて、
やがてどうとも思わなくなっているのかも知れませんね。


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2005年7月12日(火)

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