石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第71回
隣人同士のケンカには首を突っ込みたくありません

最近は政府の取り締まりにより
沈静化しているように見える中国大陸の反日感情の高まりに対し、
台湾の人たちはこれをどのように見ているのでしょう?
対岸の火事?
少し前になりますが、
台湾の中時電子報が4月下旬に
電話により行ったアンケート(約1,000名)の結果を紹介します。

まず、
(1)今回の反日デモに関する評価、ですが
「賛成」が22%、「反対」がほぼ22%でほぼ拮抗、
「意見無し」・「私には関係ない」が57%を占めました。
次に、
(2)このような時期に国民党党首の連戦氏や親民党の宋楚瑜主席が
大陸を訪問することについては、
32%が「賛成」、また28%が「反対」、40%が「意見無し」でした。
(3)日本が国連の安保理常任理事国になることについては、
22%が「賛成」、また26%が「反対」、52%が「意見無し」でした。
最後に、
(4)一連の反日行動に対する台湾の採るべき立場については、
「大陸支持」が11%、「日本支持」が5%、
「静観、あまり関わらない方が良い」が57%、
「意見無し」・「私には関係ない」が27%を占めました。

「意見無し」・「私には関係ない」といった回答が大勢を占めており
本件に対する関心の低さを物語っているように見えますが、
台湾人にとっては
両岸の統一問題で大陸に向き合うのが精一杯であり、
他人のケンカに首を突っ込んでいるヒマはない
といったところでしょうか?

また、いくら対日感情が比較的良いといっても、
日本を明確に支持する人々の方が大陸支持の人々よりも少なく、
日本が国連において安保理常任理事国になることについては
他のアジア諸国同様警戒感を持っているようです。
反日行動や台湾政治家の大陸訪問に対し、
30代〜50代の壮年層が最も賛成しており、
自分たちの生活を守るためにはどう振舞うべきか、
現実的な選択をした結果と思えます。

「同じ中華民族がしているケンカでありながら
どちらにも肩入れしない」、
というのが、
大国に挟まれもまれ続けながら
現状からの変化を望まない台湾の人たちの
微妙な立場を象徴しているように思えるアンケート結果でした。


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2005年5月16日(月)

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