中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第2724回
■投資家見習いさんからのQ(質問):なぜ日本が恩恵に預かれない?

Q先生こんにちは。
いつも楽しくホームページ拝見させて頂いております。
遅ればせながら先日『邱永漢の予見力』を読ませて頂きました。
自分の足で稼ぐ情報収集力、「波の向こうの動き」を見切る推理力、
リスクを受け入れる挑戦力が、
一流の投資家には必要なのだと学びました。

前置きが長くなりましたが質問です。
先生も言っておられますし、僕自身、中国や東南アジアを旅して、
これらの国々が今後発展していくだろうと体感しています。
ところで、国境を越えて影響しあうグローバル化の時代、
中国が発展すれば、その周囲の国へも
反射的効果が生じると考えるのが自然です。
ベトナムが最たる例で、先生も注目しておられます。
しかし地理的には、日本もだいぶ近いです。
ベトナム人も真面目ですが、日本人だって負けなくらい真面目だし、
諸外国に比べて気の利く人が多いと思います
(若者の覇気では明らかに負けている気がしました)。
それにも関らず、日本が
中国発展の恩恵を一番に預かれない理由は何なのでしょうか。
値切り・賄賂が下手、中国蔑視、排他的といった
民族的特性も多少はあるでしょうが、
なにかもっと重要な経済的、または政治的構造の問題が
あるように思えるのですが、よく分かりません。
稚拙な質問で恐縮ですが、ヒントだけでも結構ですので
ご回答のほど宜しくお願い致します。
これからもお元気でお過ごしください。


■QさんからのA(答え)

日本の人がよその国の人と組んで
仕事がうまくいかないことが多いのは、
日本が300年も鎖国したことと、
あるいは関係があるかもしれません。

日本人は自分の周りの人たちだけと長く暮らしてきたので、
よその国の人が自分たちと違う環境に育って、
自分たちと違う考え方をするというのを
中々理解しようとしないんです。
日本人に国際性がないことは、経済が発展するプロセスで、
外国人を締め出したことからも分かります。
例えばトヨタ自動車の初期の社則を見ると、
外国人は役員にしないと書いてあります。
よその国でこんなしみったれた考え方をするところはありません。
それと似たようなことが日本人全体の
心のどこかにあったということじゃないかと思うんです。
でもそれもだんだん時間が経って、
世界中で日本人が仕事をするようになると
かなり変わると思います。
何しろ、よその国の人が日本に働きに来ることに対して
いまでも一番きびしい制限をしているのは
先進国で日本だけなんですから。


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2010年2月14日(日)

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