■QさんからのA(答え)
普通の人が本を読んで、
自分もこれくらいのものは書けるんじゃないか
と考えがちですけど、それは錯覚です。
文章書きをやりたいと思っている人は
日本の国に大体十万人くらいいると思います。
そして実際に文章だけでメシの食える人は、
大学の先生や新聞記者を兼任している人は別として、
百人ぐらいでしょうね。
ですから十万人の一人であるあなたが
プロの百人と同じ本の作り方が出来る
と思うのは間違いであります。
またジャーナリズムから認められていない人が
本を出そうとする場合は、自費出版が原則です。
もし、文章書きとして人に認めてもらいたいと思えば、
あちこちの雑誌や新聞で募集をしておりますので、
試しに応募してみるといいと思います。
私もはじめて文章書きをやろうと考えた時に、
すすめられてオール新人杯というのに応募しました。
そうしたら九百何点の応募の中の
最後の五編に残ったことがございます。
その時は審査員5人の内の3人に反対されて
選から漏れましたけど、
もしかしたら自分に才能があるかも知れんと厚かましく考えて
東京へ出てきて一生懸命やりました。
おかげでやっとその百人の中に入れてもらうことができましたが、
ものを書いて認められるのはそんなに楽なことじゃありません。
売れない文章でよごれた原稿用紙は
何も書いていない原稿用紙よりも値打ちのないものなのです。
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